2003 Fiscal Year Annual Research Report
2元系ネプツニウム化合物NpX_3の単結晶育成とその基礎物性
Project/Area Number |
14654057
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
本間 佳哉 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (00260448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山村 朝雄 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (20281983)
李 徳新 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (40281985)
塩川 佳伸 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (50111307)
山本 悦嗣 日本原子力研究所, 先端基礎研究センター, 副主任研究員 (50343934)
芳賀 芳範 日本原子力研究所, 先端基礎研究センター, 副主任研究員 (90354901)
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Keywords | アクチナイド / f電子 / 強相関 / ネプツニウム / NpTGa_5 / NpO_2 |
Research Abstract |
東北大学・金属材料研究所と日本原子力研究所・先端基礎研究センターの協力により、我が国初の本格的な超ウラン化合物の電子物性研究が開始された。本研究課題はその一翼を担うものである。当初、2元化合物NpX_3に限定して展開する予定であったが、f子系化合物としては驚異的に高い転移温度の超伝導体PuCoGa_5(T_c=18K)が米・ロスアラモス研究所で発見されたことに触発されて、NpTGa_5(T=Transition metal)も対象物質とすることにした。さらに、八重極秩序の可能性が示唆されている唯一の物質である2元系酸化物NpO_2も研究対象に加えた。給排気管理された鉄セル内に電気炉を設置してフラックス法により単結晶NpTGa_5(T=Fe, Co, Ni)を育成した。NpFeGa_5は118Kで、NpCoGa_5は50Kで、NpNiGa_5は34Kと18Kで反強磁性転移を示した。特にNpFeGa_5とPuCoGa_5は同数の価電子(n=30)を有するため、共に大きな2次元的なフェルミ面を持つことがバンド計算から推察されており、両者の比較は興味深い。NpFeGa_5の電気抵抗は、0.5Kまで超伝導を示さなかったが、118Kで抵抗が急激に増加し、85Kで極大を示した。磁気秩序に伴ってギャップが開き、フェルミ面の再構築が起こっているものと推測される。そこで、我々はGa-NMRの測定を開始し、ネール点以上(T>120K)でのみシグナルの観測に成功した。ナイトシフトKは260Kから120Kへ温度が下がるにつれて上昇をした。また、超微細パラメータν_Qとηおよび結合定数Aは、ウラン系で詳しく研究されているUPtGa_5と同程度の値となり、重い電子状態になっていると考えられる。 微視的測定としてNMRに加え、メスバウアー測定も開始した、その参照物質としてない微磁場が比較的小さいNpSn_3の作製に着手した。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] D.Aoki, E.Yamamoto, Y.Homma, Y.Shiokawa, A.Nakamura, Y.Haga, R.Settai, Y Onuki: "First Observation of the de Haas-van Alphen Effect in NpNiGa_5"Journal of the Physical Society of Japan. 73. 519-522 (2004)