2004 Fiscal Year Annual Research Report
2元系ネプツニウム化合物NpX_3の単結晶育成とその基礎物性
Project/Area Number |
14654057
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
本間 佳哉 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (00260448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩川 佳伸 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (50111307)
李 徳新 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (40281985)
山村 朝雄 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (20281983)
芳賀 芳範 特殊法人日本原子力研究所, 先端基礎研究センター, 副主任研究員 (90354901)
山本 悦嗣 特殊法人日本原子力研究所, 先端基礎研究センター, 副主任研究員 (50343934)
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Keywords | 超ウラン元素 / ネプツニウム / f電子 / NpTGa_5 |
Research Abstract |
海外において、高い超伝導転移温度を示すアクチナイド化合PuCoGa_5(Tc=18.5K)ならびにPuRhGa_5(Tc=8.7K)が発見されたことを受けて、NpX_3に加えて、NpTGa_5(T=Fe,Co,Ni,Ru,Rh,Pt)を研究対象とした。フラックス法によりNpTGa_5(T=Co,Rh,Ni,Pt)およびNpGe_3単結晶を育成し、その基礎物性(磁化、電気抵抗、比熱)を測定した後、種々の微視的プローブを適用した。 NpTGa_5はいずれも基底状態で磁気秩序を示しが、これら計測より遍歴5f電子の磁性への関与が明らかになった。ドハース・ファンアルフェン測定より、超ウラン化合物としては初めてフェルミ面観測に成功した。このうち、NpRhGa_5では4つの円柱状フェルミ面を観測し、5f電子を遍歴としたバンド計算ときわめて良い一致を示した。5f電子が磁性のみならず伝導も担っていることが、バンド計算との対応から実証された。さらにNpFeGa_5に対するメスバウアー分光より、FeサイトならびにNpサイトの内部磁場を観測し、両サイトが磁気モーメントを担うことを明らかにした。磁気異方性が強く、磁場をc軸に掛けた場合4Tでメタ磁性転移を起すがa軸では反強磁性状態のままである反強磁性体NpCoGa_5(T_N【approximately equal】47K)に対してNMR測定を行った。スピン格子緩和率(1/T_1)の温度依存を見ると、磁場をa軸に掛けた場合は反強磁性転移点での揺らぎ増大によるピークが見られるがc軸に掛けた場合ピークは現れない。つまり反強磁性転移が消失しても揺らぎが高磁場下まで抑えられていくことが判明した。 本研究費補助金はわが国における初の超ウラン物性研究の萌芽を促した。
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Research Products
(3 results)