2002 Fiscal Year Annual Research Report
光励起高スピン状態から光誘起分子磁性体へのブレイクスルー
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14654101
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山内 清語 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (10127152)
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Keywords | 励起高スピン状態 / 分子磁性体 / 励起多量体 / フラーレン二量体 / 三重項-ラジカル対 / ナノ磁性体 / ポリフィリン多量体 / フラトシアニン多量体 |
Research Abstract |
今年度は、基本骨格であるフラーレンダイマーのESRによる詳しい解析とフラーレンダイマー・トリマー、その他の分子の合成を試みた。結果は、以下の通りである。 1.フラーレン環を直接繋いだダイマー(C_<120>)と酸素原子が一つ入ったダイマー(C_<120>O)について、励起三重項状態のESR信号を観測して、モノマー(C_<60>)との比較を行なった。スペクトルの解析から、2つのダイマーとも、励起は95%以上一方の環に局在化していることが分かった。これにより、2つのフラーレンダイマーは本研究に適合する分子であることがわかった。 2.モノマーと同様な方法を用いて、これらのフラーレンダイマーへのラジカルの付加を試みた。しかし、もともとダイマーの量が少なく、現在までに元素分析やESR実験に必要な量(2mg)のラジカル付加のダイマー分子が合成できていない。今後、収率の良い合成方法を新たに開発する必要がある。フラーレン三量体については、光反応が起こりやすく不安定であり、光物理の研究には向いていないようである。 3.新たな分子系として、我々の研究室で三重項・ラジカル対の研究が進んでいるポルフィリン-ラジカル系とフタロシアニンラジカル系のダイマーの合成をスタートさせた。反磁性金属で2つの環を結合する方法で、この方法は以前に励起二量体のESR研究に用いていた方法である。現在、これらの分子系の合成に集中している。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] S.Yamauchi et al.: "Direct Observation of Localized Excitation in the Lowest Excited Triplet State of Fullerene Dimers C_<120> and C_<120>O by means of Time-Resolved EPR"Chem. Phys. Lett.,. 363. 199-203 (2002)
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[Publications] S.Yamauchi et al.: "The Lowest Photoexcited Triplet State of Subphthalocyanine in Solid and Fluid Environments. Time-EPR Studies"J. Phys. Chem. A,. (in press). (2003)
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[Publications] Y.Iwasaki et al.: "On the g Value Shift and Intersystem Crossing in Photo-Exited Radical-Triplet Systems"Appl. Magn. Reson.,. 23. 377-391 (2003)
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[Publications] H.Murai et al.: "Developments of Japan Magnetic Resonance Related Spin Chemistry in Japan"Appl. Magn. Reson.,. 23. 249-267 (2003)