2003 Fiscal Year Annual Research Report
細胞融合法を用いた初期化と未分化状態の維持に関与する原因染色体の同定
Project/Area Number |
14654150
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
白吉 安昭 鳥取大学, 医学部, 助教授 (90249946)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 基伸 鳥取大学, 医学部, 寄附講座教員 (00273904)
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Keywords | 細胞融合 / 多分化能 / ES細胞 / 分化抑制因子 / 染色体 |
Research Abstract |
前年度の研究により、F9テラトカルシノーマ細胞とES細胞との細胞融合によって、多分化能を示す雑種細胞株C4の分離に成功した。本年度は、C4の染色体構成の詳細な解析、ヒト染色体のES細胞への移入による機能解析、F9細胞とES細胞との共培養による分化能の解析、を中心に研究を進め、ES細胞の未分化性の分子基盤の解明を試みた。 その結果、次のような成果を得ている。 (1)C4の解析の結果、F9側の14番と19番染色体が脱落していることが明らかとなった。C4は、染色体を失うことによって分化能が回復したと考えられることから、これらの染色体上に分化抑制因子をコードする遺伝子が存在する可能性がある。今後さらに複数の細胞株を分離することによって、確認する予定である。 (2)ヒト21番染色体を移入することによって、ES細胞の神経分化誘導過程において、アポトーシスが亢進することを明らかにし、マイクロアレイを用いてアポトーシスの誘導に関わる関連遺伝子の同定を試みた(Wang, et al., BBRC 314,335(2004))。 (3)F9細胞とEs細胞とを共培養することにより、ES細胞の分化が抑制されることを見出した。これは、トランスウェルなどのメンブレンで両者を隔てても分化抑制が見られることから、F9細胞がES細胞の未分化性を保つ働きを持つ因子を分泌していることを示唆している。LIFなどの既存のES細胞分化抑制因子の発現が見られないことから、F9細胞は新規の分化抑制因子を産生していることが考えられる。 これらの結果から、ES細胞の未分化性維持に関わる新規分泌型因子の存在を明らかにでき、多能性に関わる染色体候補としてマウス14番、19番染色体を同定することができた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Wang, CC.他: "Molecular hierarcy in neurons differentiatiated from mouse ES cells containg A single human chromosome 21"Biochem.Biophys.Res.Commum.. 314. 335-350 (2004)
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[Publications] 白吉安昭, 押村光雄: "細胞分化シグナルとしてのエピジェネティクス"実験医学. 21. 1523-1537 (2003)