2003 Fiscal Year Annual Research Report
カラーインクジェットプリンターによる成長因子アレイの作製
Project/Area Number |
14654174
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松田 良一 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (90165837)
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Keywords | 成長因子 / 培養細胞 / 細胞分化 |
Research Abstract |
1)本研究の目的である固定化した成長因子を用いたアレイの作製のためには、成長因子を固定化しても細胞に対し効果を持つことが前提となる。しかし、一部の成長因子において、細胞表面の受容体に結合後、成長因子-受容体の複合体が細胞膜上で集合し、細胞内に取り込まれ、細胞内に情報伝達をおこすことが知られている。もし、成長因子の固定化により、このような成長因子-受容体の複合体のダイナミズムが阻害されると情報伝達に支障をきたす可能性がある。そこで、各種成長因子の細胞に対する効果を培養液に溶解状態にある場合と培養基質に固定化された場合で比較検討した。その結果、インスリン、インスリン様成長因子1および塩基性繊維芽細胞成長因子は固定化しても効果を保持したが、骨形成因子-2は固定化すると効果を発揮しないことが明かとなった。 2)成長因子を固定化したアレイ上で細胞を培養し、そのDNA良、分化マーカーの発現量を近赤外の画像解析装置を用いて定量するための条件設定をおこなった。現段階に使用している画像解析装置は700と800nmの二波長であるため、一旦結合した抗体を測定後、アルカリ処理で解離させ、新たに別の抗体を反応させても定量性が確保できる系を確立した。 3)成長因子細胞外基質成分を固定化する培養基質の検討を行った結果、高吸収性OHPシートが有効であることが分かった。これを用いて細胞外基質をパタン化してプリントし、その上で細胞を培養した所、プリントしたパタン通りに細胞が配置された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Arakawa, M. et al.: "Negamycin restores dystrophin expression in skeletal and cardiac muscles of"J.Biochem.. 134. 751-758 (2003)
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[Publications] Arakawa, M. et al.: "Negamycin-therapy in skeletal and cardiac muscles of mdx mice."Basic Appl.Myol.. 13. 313-320 (2003)
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[Publications] Watanabe, K. et al.: "Growth factor array fabrication using a color ink jet printer."Zool.Sci.. 20. 429-434 (2003)
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[Publications] 松田良一: "ナンセンス取る全変異が原因の筋ジストロフィーに対する薬物治療の可能性"日本先天代謝異常学会誌. 19. 9-13 (2003)
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[Publications] 松田良一, 荒川正行: "筋ジストロフィーに対する薬物治療ーゲンタマイシンとネガマイシン"医学の歩み. 204. 183-188 (2003)
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[Publications] 荒川正行, 松田良二: "抗生物質によるナンセンス突然変異型遺伝子病の治療"モレキュラーメディシン. 39. 1430-1436 (2003)