2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14655004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高木 堅志郎 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (90013218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
美谷 周二郎 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (10334369)
酒井 啓司 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (00215584)
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Keywords | 液体表面 / 光表面ピックアップ / 表面吸着現象 / ラングミュア膜 / 界面活性剤 / 表面粘弾性 / 微小界面物性 |
Research Abstract |
生体膜は脂質分子が溶液中で自己組織化的に会合して形成する2次元分子集合体である。本研究は、独自に開発されたレーザー光による2次元面の変形・制御技術を利用して、溶液や大気中に保持された生体膜を非接触につまみ、引っ張り、その応答を調べるという「生体膜マニピュレーション」を行う。本年度は大気中に保持された界面活性剤の薄膜について、レーザーによる厚み変形を印加しての応答測定を試みた。この応答関数から、界面活性剤分子どうしが溶質を介して互いに及ぼしあう様々な相互作用を、分子レベルで直接測定することが可能になる。さらにこの光マニピュレーション手法を用いて、微小な液面領域に展開された両親媒性分子の吸着単分子膜の高精度測定を試みた。その原理は、光を用いて微小領域に置ける液体表面の高周波共鳴振動を非接触に励起し、これを別のプローブレーザーで高感度検出するというものである。まず理論計算によって、表面に局在するする流体の振動モードが、表面近傍のずり層流の影響で時間減衰することを予想し、これを共鳴スペクトルの周波数およびピーク幅の観察から実験的に検証することに成功した。このシステムを用いて、オクタン酸などの界面活性物質が吸着した微小表面の物性測定を行った結果,鋭い共鳴ピークの観察からその表面エネルギーが極めて高い精度で検出できることが明らかとなった。本測定法は、生体膜系への応用のみならず、細胞に物質を誘導する微細なキャピラリー内部の物性測定や、インクジェットノズル表面における材料評価など、幅広い応用が期待できる。
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Research Products
(1 results)