2002 Fiscal Year Annual Research Report
多光子励起過程を用いた青紫色半導体レーザー材料の内部格子欠陥の3次元観察
Project/Area Number |
14655024
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
川田 善正 静岡大学, 工学部, 助教授 (70221900)
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Keywords | 光学顕微鏡 / 多光子励起過程 / 2光子吸収 / ワイドギャップ半導体材料 / レーザー走査顕微鏡 / フォトルミネッセンス / 格子欠陥 / フォトニック結晶 |
Research Abstract |
本研究では、多光子励起過程を用いて、ワイドギャップ半導体材料内部の格子欠陥を観察する手法を開発した。GaN, ZnSeに代表される大きなバンドギャップを持つ半導体材料は、青紫色半導体レーザーの材料としての応用が期待されており、既にGaN材料を用いたLED, LDが実用化されている。青紫色半導体レーザーにおいて、高出力、長寿命、高い出力安定性を実現するためには、欠陥の少ない良質の不可欠であり、結晶内部の欠陥を非破壊で観察可能な手法を開発する必要がある。 本研究では、多光子励起過程を用いて、半導体材料内部の欠陥構造を非破壊に観察する手法を開発した。一般に、半導体材料は、バンドギャップを越えるエネルギーを持つ格子をすべて吸収するため、フォトルミネッセンスの励起光に対して大きな吸収を持つ。このため、結晶内部まで、光が届かず、結晶表面のみの構造しか観察することできなかった。本手法では、フォトルミネッセンスの励起に多光子過程を利用するため、吸収の少ない近赤外光を使用でき、結晶内部まで励起光を伝搬させることができる。集光スポットを3次元的に走査することによって、内部欠陥の3次元構造を可視化することが可能である。 光源にフェムト秒レーザーを使用した多光子励起顕微鏡システムを構築し、ZnSe結晶の内部欠陥を観察した。発生したフォトルミネッセンスの分光スペクトルを測定することによって、欠陥構造の解明を試みた。また、観察に使用するレーザー光強度を大きくすることによって、結晶内部に欠陥を誘起できることも確認した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] M.Nakano, et al.: "Compact confocal readout system for three-dimensional memories using a laser-feedback semiconductor laser"Opt. Lett.. (in press). (2003)
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[Publications] Y.Kawata, et al.: "The use of capillary force for fabricating probe tips for scattering-type NSOMs"Appl. Phys. Lett.. 82. 1598-1600 (2003)
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[Publications] Y.Kawata, et al.: "Three-dimensional observation of internal defects in semiconductor crystals by use of two-photon excitation"Opt. Lett.. 27. 297-299 (2002)
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[Publications] R.Lugowski, et al.: "Application of laser-trapping technique for measuring the three-dimensional distribution of viscosity"Opt. Commun.. 202. 1-8 (2002)
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[Publications] F.Iwata, et al.: "Nanometre-Scale Modification of a Urethane-Urea Copolymer Film Using Local Field Enhancement at an Apex of a Metal Coated Probe"Nanotechnology. 13. 138-142 (2002)
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[Publications] N.Kobayashi, et al.: "High-Density Optical Storage with Nanospheres on Surface Relief Structure"Jpn. J. Appl. Phys.. 41. 1907-19089 (2002)
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[Publications] Y.Kawata, S.Kawata: "Photoreactive Organic Thin Films(分担執筆)"Academic Press. 560 (2002)