2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14655026
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
長島 健 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センター, 助手 (60332748)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩行 正憲 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センター, 教授 (10144429)
|
Keywords | 超伝導体 / プラズモンポラトリン / テラヘルツ電磁波 / 低次元プラズモン |
Research Abstract |
光学的な手法により薄いシート内に局在した自由キャリアの粗密度(低次元プラズモン)を励起することができる.低次元プラズモンが誘起する電場はシート近傍に局在し,かつ非常に強いことが知られている.これまでは従来の常伝導金属(主として銀)を用いた研究がほとんどであった.本研究の目的は(1)高温超伝導体中において,散乱を受けない超伝導キャリア低次元プラズモンの励起方法の探索,及び(2)その伝播特性の明確化である.昨年度までに(1)について,高温超伝導体中の超伝導キャリアの2次元プラズモンポラリトンの励起,分散曲線の精密測定,そして電場及び磁場を印加した場合のテラヘルツ電磁波に対する応答の測定を行った.本年度は(2)の考察及び前年度に観測されたいくつかの現象の解明を行った. (1)本研究ではテラヘルツ電磁波を照射することで当該ポラリトンを励起する.このとき電磁波の面内方向の波数を補うために試料表面にはグレーティングカプラを付与する.ポラリトンの分散曲線を精密測定するために,1枚の薄膜試料に周期の異なる複数のグレーティングを作製し,各領域にテラヘルツ電磁波を照射し当該ポラリトンを励起し,その周波数を決定した.さらにテラヘルツ電磁波のスペクトル形状から超伝導キャリア低次元プラズモンの伝播定数は1cmオーダーであることがわかった. (2)超伝導キャリアの運動は電場あるいは磁場の印加によって大きく変化する.これにより当該ポラリトンの応答も大きく変化すると期待される.前年度,試料に電場及び磁場を印加して行った結果,これらはテラヘルツ電磁波への応答には影響を及ぼさないことがわかった.これらの原因について調査した結果,超伝導体薄膜中の電流分布の影響あるいは印加磁場強度の不足に起因すると考えられる.
|
Research Products
(1 results)