2002 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄神経系のトライフェジック構成則と神経細胞損傷予測
Project/Area Number |
14655039
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
但野 茂 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50175444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白土 修 北海道大学, 大学院・医学研究科, 講師 (20206296)
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Keywords | バイオメカニクス / 脊髄組織 / 固液混相挙動 / 圧縮粘弾性 / 自己膨潤 / 単軸圧縮 |
Research Abstract |
1.固液混相力学挙動のための実験装置の考案 脊髄組織が外力を受けたときの液相内圧変化や浸透圧変化、また変形中における固相と液相の界面摩擦による相互作用を解明するため、様々な組織負荷試験が必要である。そのため本実験では、円柱状に切り出した組織試験片が径方向に変形を拘束した単軸圧縮負荷試験を考えた。負荷中、液相が組織内外で自由流動を保証するため、試験片を押さえる下部プレートに多孔質金属(Ni、平均孔径0.5mm)を用いた負荷治具と変形拘束容器を作成した。これらの装置は水槽内に設置した。外部負荷装置(インストロン試験機:現有)を用い、直径5mmのインデンター(SUS304)を介して、組織に外力を与えた。そして負荷中の変形挙動を測定した。 2.脊髄組織のBiphasic実験 ・試験片:脊髄組織試料には、ウシ脊髄の白質と灰白質を使用した。組織を直径5mm、厚さ5mmの円柱状に切り出した。実験の雰囲気環境は、液相と同一の食塩濃度を持つ0.15M NaCl生理的食塩水で行った。 ・単純圧縮負荷試験・応力緩和試験:ひずみ速度一定で試料を圧縮負荷し、所定のひずみに達した時にインデンターを停止させ、その後の荷重の時間変化を計測することで、応力緩和実験を行った。圧縮時には応力-ひずみ関係を、緩和時には応力-時間関係が得られた。緩和の初期ひずみには、10%、20%、30%とした。また、負荷中のひずみ速度は、2%/mmと10%/mmとした。その結果、脊髄組織は負荷ひずみ速度に依存することと、極端な応力緩和が生じることが確認された。これらの挙動を表示する実験式を提案できた。 ・膨潤試験:一定の初期荷重下での組織自己膨潤挙動を実験した。初期荷重は、0.05、0.10、0.15、0.20Nの4種類とし、24時間連続して応力変化を測定した。その結果、いずれの初期荷重時でも、負荷後17時間以降で自己膨潤が観察された。
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