2002 Fiscal Year Annual Research Report
パルス加熱サーモグラフィによる歯牙齲蝕病巣の定量的診断法の開発
Project/Area Number |
14655046
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
阪上 隆英 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50192589)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 昌宏 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10132630)
井岡 誠司 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50283726)
久保 司郎 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20107139)
中島 省志 ライオン株式会社, オーラルケア研究所, 主任研究員
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Keywords | 非侵襲診断 / 赤外線サーモグラフィ / パルス加熱 / 歯牙 / 初期う蝕 |
Research Abstract |
本研究では,歯牙にパルス状熱負荷を与えた時の,歯牙表面温度変化に関するフルフィールドデータ(時系列サーモグラム)を,高速赤外線サーモグラフィを用いて計測し,これをもとに齲蝕病巣の検出および齲蝕が進行している領域・齲蝕程度を定量的に計測できる,新しい臨床診断システムを開発することを目的とする. 本年度は,キセノンパルス光照射時の温度変動の時系列データをもとに,歯牙初期う蝕の計測を行う手法を開発した. (1)高速赤外線サーモグラフィ,キセノンフラッシュおよびデータ収集・処理のためのコンピュータで構成される基礎的実験システムを構築した.歯牙表面の限定された領域に,均質かつ高効率なパルス熱負荷を与えるため,小型キセノン発光装置および反射・集光光学系を用いた閃光パルス加熱装置を作成した. (2)健全な抜去歯牙の表面を人工脱灰処理する部分を除いて被覆した後,歯牙を脱灰液に浸漬することにより,人工脱灰歯牙試料を作成し,実験に供した. (3)完成した実験装置および人工脱灰歯牙試料を用いて実験を行い,パルス加熱サーモグラフィ法による歯牙齲蝕診断手法開発のための基礎データを収集した.その結果,人工脱灰部のミネラル溶出量と赤外線強度の間には強い相関が見られ,これをもとに歯牙の脱灰部位を検出するとともに,脱灰程度あるいは脱灰深さを定量的に計測できることがあきらかとなった.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Takahide Sakagami, Shiro Kubo: "Applications of pulse heating thermography and lock-in thermography to quantitative nondestructive evaluations"Infrared Physics and Technology. Vol.43. 211-218 (2002)
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[Publications] Takahide Sakagami, Shiro Kubo, Takeshi Naganuma, Tomoyasu Inoue, Kazumasa Matsuyama, Shoji Nakashima, Kenji Kaneko: "Development of a new diagnosis method for incipient caries in human teeth based on thermal images under pulse heating"JSME International Journal, Series A. Vol.46. 93-98 (2002)
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[Publications] 河合俊成, 阪上隆英, 久保司郎: "パルス加熱赤外線サーモグラフィ法による歯牙初期う蝕評価法の開発"日本機械学会関西支部 関西学生会講演会講演論文集. (印刷中). (2002)