2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14655048
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
元木 信弥 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40221626)
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Keywords | 磁気弾性効果 / 磁歪 / 磁区構造 / 磁歪アクチュエータ / 知的材料 / ΔE効果 |
Research Abstract |
これまでの研究によって、単結晶中の磁壁のkinematicsを仮定すれば、多結晶の応答が得られることが分かっている。そこで今期の研究は、立方晶単結晶を対象として磁壁の運動を記述することを目的とした。特に消磁状態を保ちながら、応力によって磁壁が移動し、磁区構造が再配列する仕方を記述する手法を考察した。立方晶の単結晶では、磁区は6つの方向を等しい確率で向いており、これに[100]方向に短軸応力を負荷すると、磁歪定数が正の材料では、応力に垂直な方向を向いた磁区の体積(Transverse Domain Volume : TDV)が減少し、応力方向の磁区体積が増加して、応力による弾性歪み以外に磁区構造再配列によるひずみが発生して応力-ひずみ曲線が非線形になることが予想される。一方、応力が[111]方向に短軸応力が負荷されると、磁区再配列は全く起こらず応力歪み曲線は完全に線形になる。これを実験的に確認するために、Fe基でTiを少量含む強磁性の単結晶試料を作成し、[100]、[110]、[111]方向に切り出し、それぞれの方向に短軸引張応力を負荷して応力-ひずみ曲線を測定した。その結果、応力-ひずみ曲線の非線形性は、理論的予測とは全く反対に、[111]方向に負荷した場合がもっとも大きく、[100]試料については完全に線形となった。今後、試料の作成過程での磁区構造のpreference方位の存在や、試料の磁気異方性の確認などを通じて、理論の根本的修正が必要かどうかを検討していく。また、表面の磁区構造を実験的に観察する手法についても確立する。
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Research Products
(1 results)