2003 Fiscal Year Annual Research Report
ゾル-ゲル変換型光硬化性樹脂を用いたホログラフィ光造形法
Project/Area Number |
14655052
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村上 存 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (20212251)
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Keywords | 光造形法 / ホログラム / 3次元露光 / 非積層造形 / ラピッド・プロトタイピング / Solid Freeform Fabrication |
Research Abstract |
本研究の目的は、ホログラフィ立体映像を光硬化性樹脂中に再生することによって、立体形状の一括光造形の可能性を検証することであり、平成15年度は以下の研究成果を得た。 (1)ホログラフィに使用する光源および光硬化性樹脂の決定 ホログラムの撮影および再生の調整や確認の容易さのため、光源としてアルゴンレーザの可視光成分(波長488nm、514nm)を用いることとし、その波長域に感度を有するアクリレート系の可視光硬化樹脂(日本化薬(株)KAYARD DF-803N)を用いることとした。 (2)ホログラムの撮影および再生 平成14年度に作成した光学系を用い、アルゴンレーザからフィルタにより波長514nmを取り出し、銀粒子を感光材料とするホログラム乾板に、十字形など簡単な形状を有する物体のフレネル・ホログラムを撮影、再生できることを確認した。 (3)ホログラムによる樹脂硬化実験 スライドガラス(厚さ1mm)とカバーガラス(厚さ0.15mm)で挟んだ可視光硬化樹脂(厚さ0.8mm)を、上記(2)の再生像中に挿入し、再生像の断面形状を硬化できることを確認した。また、再生像は光の強度分布が一様ではないため、硬化は高強度の部分から発生し、低強度の部分が硬化するまで時間をかけると、高強度部分の周辺も硬化し、硬化形状と目的形状の相違が生じるという問題を確認した。 (4)計算機ホログラム作成ソフトウェアの実装 一般の光造形における立体形状データの表現形式であるSTLデータ(本質的にポリゴンモデル)から、参照光法により干渉縞をグレースケールの画像データとして生成するソフトウェアを作成した。生成した画像を大判プロッタにより印刷し、写真撮影、縮小することにより、簡易に計算機ホログラムを作成できる環境を構築した。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 村上存, 森本裕史, 江副敬史, 及川和広: "ホログラフィを用いた光造形法に関する研究"日本機械学会第13回設計工学・システム部門講演会講演論文集. 438-441 (2003)