Research Abstract |
光源側での位相シフト実施による凹面鏡形状計測の実施により,計測値のふらつきのヒストグラムのピークが0.6nm付近になり,これまでの計測結果ではベストな値を得た.大型鏡の高精度計測が実現できれば,これを基準面とした平坦面計測が可能となるわけで,大きな前進である.形状値のRMS値に至っては,0.35nm程度を示しており,0.35/632.8〜(5/904)λ〜λ/180程度の再現性を示している. 直径20cmのミラーについて,計測の再現性がrms値で2nmを幾分切るところまで来た.具体的には,光源となるファイバの固定をしっかりし始めたことによる高剛性化の影響と考えている.このファイバ固定にはまだ検討の余地があり,さらに振動の影響を抑える工夫を進める. 再現性の向上に伴い,現状ではミラー全面を500ピクセル四方のCCDで撮影することから,データの横分解能が200mm÷500=0.4mm=400μmと低い点についての検討に入った.具体的には,CCDカメラに取り付けたカメラレンズのズーム機能を使うことで,ミラーの一部分=干渉縞の一部分を拡大撮影することで,横分解能を高められないか検討している.現状のカメラレンズのズームでは,ミラーの半径を画面一杯に映す程度までしか拡大できず,分解能は200μmまでしか上がらないことが分かった.さらにミラーの一部にズームするテストとして,接写リングの挿入を試みており,5-10mm程度の厚みのリングを使えば,さらなる空間分解能の向上が期待できると考えて,試験中である. さらに,計測後の修正加工を視野に入れて,凹面鏡を,母材であるガラス面の状態で計測することを実施するため,蒸着面の剥離を行なった.このミラー簿材のホルダーへの取り付け時に,母材とホルダーとの形状の不一致があり,母材にだいぶ応力がかかる(これまでかかっていた)ことが確認され,支持方法を改良する固音とした.具体的には,母材の3点支持の各点に直径1mm程度の鋼球を挟み,点で支持することでモーメントの懸かりを極力抑えた. さらに,干渉縞撮影用のカメラレンズ系に接写リングを挿入し,母材の一部をズームアップして計測する方法を検討し,基本的に可能なことを確認した.
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