2002 Fiscal Year Annual Research Report
音響浮揚装置を用いた懸濁液滴乾燥・凝集過程の定量計測
Project/Area Number |
14655070
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
亀田 正治 東京農工大学, 工学部, 助教授 (70262243)
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Keywords | 乾燥 / 液滴 / 混相流 / 食品科学 / 物質輸送 / 相互拡散 |
Research Abstract |
乾燥食品パウダー製造過程の物理化学モデルの構築を目的として,音響浮揚装置を用いた単一固液二相液滴乾燥過程の実験的研究を行った.音響力によって空気中に浮遊する微小液滴の投影像を,デジタルビデオカメラを用いたバックライト撮影によってとらえた.得られた投影像を画像処理することで,乾燥にともなう液滴直径の時間変化を算出した.実験結果を対応する理論に基づく数値解と比べた.比較に基づき,液滴内固液二相媒体の相互拡散係数を見積もった.実験には,スキムミルク,豆乳など,異なる4種類の乳製品パウダーを用いた.さまざまな固相(パウダー)質量含有率の溶液を準備し,マイクロシリンジを用いて液滴を作成した.乾燥前の液滴直径は約1mmとした.周囲の気体温度は,常温(25℃),および,70℃とした. 実験結果から,本手法を用いて,相互拡散係数の概略値が求まることを確かめた.しかし,本実験で用いた液滴の場合,実験中に凹みをともなう非球形形状になる.そのため,拡散係数算出の根拠である気泡半径時間変化の測定精度が確保できない,という問題があることが分かった. 以上の欠点を改善するために,より微小な液滴(直径0.1mm以下)を発生する方法を検討した.空気圧により微小オリフィス(開口直径30μm)から液滴を発生させるべく,精密圧力変動発生装置を試作した.装置特性を把握するために,液体中に空気気泡を押し出す試験を行った.その結果,1ms程度の時間スケール,0.1kPa程度の精度で,圧力の時間変化を作り出せることが分かった.
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