Research Abstract |
乾燥食品パウダー製造過程の物理化学モデルの構築を目指して,音響浮揚を利用した単一固液二相液滴乾燥・凝集過程実験装置の製作を行った.昨年度の研究から,実験に用いる微小液滴(直径100μm以下)発生法の確立が必要であることが分かったため,本年度は,主に,微小(流体)粒子発生装置の開発・試作を進めた. 開発した発生装置は,圧電型インクジェットノズルの原理を応用したものである.圧電セラミクスを駆動して作動流体に超音波パルスを与え,微細オリフィス(開口部直径20μm-100μm)を通じて粒子を吐出・離脱させる.開発した装置は,液滴だけでなく,気泡発生装置としても利用可能である. まず,空気,シリコン油を作動流体として気泡発生装置としての特性試験を進めた.オリフィスの材質は,油との親和性に優れるステンレスとした.試験では,超高速ビデオカメラ(撮影速度125,000fps-500,000fps)を用いて,気泡発生過程をとらえた.発生気泡サイズに対する各種パラメータ(パルス波形・振幅,および,オリフィス直径)の影響を詳しく検討した.その結果,直径20μm程度のオリフィスを用いて,適切なパルス波形・振幅を与えることで,直径100μm程度の気泡を再現性良く発生できた.また,オリフィスを通じた気体の流入,流出特性が,気泡発生メカニズムのキーとなることが分かった. つぎに,さらに微小な気泡を発生させる手法を検討した.その結果,開口部の大きな(直径100μm)オリフィスを用い,微小な加減圧を与えることで,直径20mm程度の気泡を作ることが出来た.また,この発生には,気液界面の変形,特に表面波の形成が重要な役割を果たすことが分かった.
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