2003 Fiscal Year Annual Research Report
磁力線再結合現象を用いた非平衡プラズマ生成法の開発
Project/Area Number |
14655105
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小野 靖 東京大学, 高温プラズマ研究センター, 助教授 (30214191)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 悦夫 東芝, 電力・産業システム技術開発センター, 主幹(研究職)
板垣 敏文 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (60242012)
桂井 誠 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (70011103)
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Keywords | 磁力線再結合 / 非平衡プラズマ / イオン加熱 / 電子加熱 / プラズマ加速 / 電流シート / 可視光トモグラフィー / ベクトルトモグラフィー |
Research Abstract |
今年度は、イオン温度が電子温度に比べ大きな非平衡プラズマの生成、および速度成分をそろえたイオン加速実験に進展があった。ICCDカメラと拡大光学系を付加した分光器を用いて空間方向8点、波長方向200点程度の分解能で磁力線再結合面付近のプラズマライン光のドップラーシフトからリコネクションアウトフローの流速分布を計測し、視線方向の積分でアルベーン速度の数分の1程度であり、空間的には電流シート幅の倍程度で分布していることを明らかにした。また。ドップラー幅から、縦磁場の少ないリコネクションではイオン温度(10-100eV)が電子温度(数eV)に比べ十分に高い非平衡プラズマの生成を確認した。空間的にはリコネクション下流領域に明快な高温部が2つ形成されて磁気エネルギーからイオン流速さらにはイオン温度へのエネルギー変換が行われ、その効率は70-80%程度とかなり高効率であることが判明した。'これは、太陽フレアのX線計測で見られるアウトフローがファーストショックを引き起こして発生するプラズマ加熱に類似のものである。また、粒子加速の磁場スケーリング(速度が磁場に比例)を完成させつつあり、安価な加速器を製作する可能性についても検討を開始した。11月3-5日にはUS-Japan Symposium on Plasma Merging and Magnetic Reconnectionを米国カリフォルニア州カタリナ島で共催し、日米欧の主要研究者と共にリコネクション物理やその工学応用についても議論を深めた。これらの成果は「プラズマ合体を用いた磁気リコネクション室内実験」の題目でプラズマ核融合学会論文賞を受賞するに至っている。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 村田, 小野: "磁力線再結合現象におけるイオン流速及びイオン温度の制御に関する原理検証実験"電気学会論文誌A. 123-A・6. 543-547 (2003)
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[Publications] 村田, 小野: "トーラス合体を用いた磁気リコネクションジェットの実験的解析"電気学会論文誌A. 124-A・2. 62-67 (2004)
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[Publications] Y.Ono, T.Matsuyama et al.: "Spontaneous and Artificial Generation of Sheared Flow in Oblate FRCs"Nuclear Fusion. 43・8. 649-654 (2003)
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[Publications] Y.Ono, K.Umeda: "FRC Formation Process of Two Colliding Spheromaks with Counterhelicit"IEEJ Transactions on Fundamentals and Materials. 124-A・1. 62-67 (2004)
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[Publications] A.L.Balandin, Y.Ono: "Radial Velocity Profile Reconstruction by Ion Doppler Spectroscopy Measurements"European Physical Journal. 27. 125-130 (2003)
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[Publications] Y.Ono, T.Kimura et al.: "First and Second-Stable Spherical Tokamaks in Reconnection Heating Experiments"Nuclear Fusion. 43・8. 789-794 (2003)
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[Publications] M.Ugai, Y.Ono et al.: "Physics of Magnetic Reconnection in Plasmas"Research Signpost Co.. 262 (2004)