2004 Fiscal Year Annual Research Report
磁力線再結合現象を用いた非平衡プラズマ生成法の開発
Project/Area Number |
14655105
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小野 靖 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (30214191)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板垣 敏文 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (60242012)
河森 栄一郎 東京大学, 高温プラズマ研究センター, 助手 (90345273)
野田 悦夫 東芝, 電力・産業システム技術開発センター, 主幹(研究職)
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Keywords | 磁力線再結合 / 非平衡プラズマ / イオン加熱 / 電子加熱 / プラズマ加速 / 電流シート / 可視光トモグラフィー / ベクトルトモグラフィー |
Research Abstract |
16年度は、リコネクションのイオン加速・加熱特性を解明し、イオン温度が電子温度より高い非平衡プラズマ源、或いは安価な加速器への応用にめどをつけることができた。1次元および2次元ドップラー計測によれば、アウトフローで得られる最高速度は理論予測のアルベーン速度の80-100%であり、それが縦磁場の少ない場合はイオン粘性、縦磁場の大きい場合はファーストショックを介してイオン温度に変換されることが判明した。再結合磁場がゼロの異極性合体ではトロイダル方向の視線積分のドップラーシフトを直接計測・逆変換し、アウトフロー速度がアルベーン速度程度と速く、10cm位の大きなイオンラーマ半径程度のスケールにわたり、イオン粘性を介して急速なイオン加熱(0,5kGのスフェロマックに対して10MW程度)が発生していること、再結合磁場の倍程度の縦磁場のある場合は、アウトフロー速度自体の連度は落ちるものの、1-2cmのラーマ半径程度のスケールで電子密度、磁場、流速のジャンプが発生してファーストショックを介したイオン加熱が発生していることが判明した。ジャンプはランキン・ユゴニエ条件を満たしている。また、2次元静電プローブ計測を立ち上げて、リコネクション中に電流シート中心部の電子温度が周囲に比べて高くなることを明らかにした。不純物放射損失がまだ多いものの、シートコア部の電子温度はバルクプラズマの倍程度であり、縦磁場の大きいほど電子加熱が増加する。電流シートを上手に用いることで高電子温度型の非平衡プラズマが実現できることがわかった。縦磁場とインフロー速度の制御により、合体を用いたイオン温度・電子温度の自在に制御できることが明らかになり、大量粒子が加速できる安価な加速器、核融合プラズマ用急速イオン加熱源、高電子温度のプロセスプラズマ源の3つの方向で磁気リコネクションの非平衡プラズマ生成と応用について基本アイデアを取りまとめた。
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Research Products
(12 results)