2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14655108
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
武藤 明徳 岡山大学, 工学部, 助教授 (00174243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪田 祐作 岡山大学, 工学部, 教授 (70032951)
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Keywords | 電気二重層キャパシタ / 非水電解質液 / 多孔性炭素電極材料 / 高度脱水 / 真空加熱処理 / 非水雰囲気制御操作 / 充放電特性 / 静電容量 |
Research Abstract |
エネルギー密度の高いキャパシタを実現するには、高度に脱水した非水電解液を使用し高電圧条件下での静電容量の向上が重要である。これを実現するために、本年度は非水雰囲気で電解液を調整し、試験セルを組める設備(グローブボックス)および電極用多孔性炭素の脱水用前処理装置を設計および製作(設置)した。 1)クローブボックスの設置とセルの組み立て方法の確認 市販の0.8Mテトラエチルアンモニウムフルオロボレート非水プロピレンカーボネート溶液を電解液として使用した。充放電実験用試験セルは、本研究者らが「かしめ装置」などの特殊な装置を必要とせず組み立てが容易ながら、周囲から水分が電解液に溶解しないように独自に設計した。電解液と電極用炭素との混練およびセルの組立ては、グローブボックス内で行った。グローブボックスを非水雰囲気にする方法を検討し、実験条件として満足できることを確認した。 2)電極用炭素材料の前処理装置の製作 電極用多孔性炭素は水分を吸着しやすく、キャパシタの実験を行う前にこれを除去する必要がある。そのため、電極材料内の細孔内の吸着水を除去するための前処理装置を設計および作製した。電極材料をコック付の試料管にいれ、真空ポンプを用いて試料管内を減圧し、試料管を所定時間、所定温度、加熱保持し脱水処理した。冷却後、試料管を減圧状態のままグローブボックス内へいれ、非水雰囲気でセルを組んだ。 脱水処理をしない場合、充放電実験の当初の比静電容量は約20F/gであったが、充放電回数20回以降徐々に静電容量は低下し50回でゼロに至った。これは、微量に溶存した水が電気分解して細孔内で酸素もしくは水素ガスとなり電解液を追い出したためと思われる。前処理温度200℃で8時間、もしくは305℃で、5時間で60回充放電を操り返しても静電容量の減少はほとんど見られず、今後の前処理操作の指針を得るに至った。
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