2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14655108
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
武藤 明徳 岡山大学, 工学部, 助教授 (00174243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BHASKAR T. 岡山大学, 工学部, 助手 (40359881)
阪田 祐作 岡山大学, 工学部, 教授 (70032951)
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Keywords | キャパシタ / 細孔構造 / 電解液 / 炭素多孔体 / 静電容量 / 前駆体構造 / 賦活 / 樹脂 |
Research Abstract |
キャパシタの電極には炭素多孔体が用いられ、炭素多孔体の比表面積および細孔構造がキャパシタ性能に大きな影響を与える。特に、半径1〜25nmのメソ孔の存在がキャパシタ特性に大きな影響を与えると考えられている。 本年度は精緻に構造を制御したスチレン-ジベニルベンゼン共重合樹脂を炭素前駆体に用いて、半径1nm以下のミクロ孔のみを有するミクロ孔炭素と、ミクロ孔と半径8〜10nmのメソ孔を有するミクロ・メソ二元細孔炭素を調製することに成功した。このミクロ・メソ二元細孔炭素を、電解液に硫酸水溶液を用いた水系キャパシタ(印加電圧0.9V)に用いると静電容量は70F/gで、市販キャパシタ炭素電極(40〜50F/g)と比べても高い静電容量値であった。単位表面積あたりの静電容量も大きく、有効に炭素表面を利用して電気二重層を形成していると考えられる。 さらに、このミクロ・メソ二元細孔炭素の非水系電解液での静電容量を調べた。テトラエチルアンモニウムフルオロボレート(TEABF_4)をプロピレンカーボネート(PC)溶液に溶かした0.8M溶液を電解液に用い、200℃で4時間真空乾燥した炭素試料に加えスラリー状にして静電容量を測定した。静電容量は、充放電実験(1.8Vまで充電、その後0.1mA定電流で0.9Vまで放電>を行い放電曲線の傾きより静電容量を算出した。ミクロ・メソ二元細孔炭素の静電容量は25F/gで、市販キャパシタ炭素電極の20F/gに比べ、高い静電容量を示した。このっことは炭素前駆体の構造を制御することにより、非水系キャパシタにおいても静電容量の向上が可能であることを見出し、スーパーキャパシタ用電極の可能性を示唆している。
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