2002 Fiscal Year Annual Research Report
紫外線レーザアブレーションによるカーボンナノチューブ混入PTFE薄膜の試作と評価
Project/Area Number |
14655116
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小田 哲治 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90107532)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 亮 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助手 (90323443)
清水 一男 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助手 (90282681)
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Keywords | レーザアブレーション / カーボンナノチューブ / PTFE / 紫外線レーザ |
Research Abstract |
本研究は、本年度より3カ年計画で開始された研究である。本年度は、カーボンナノチューブ(CNT)をCVD法で作成する手法の開発を中心に研究を行った。アルゴン(10)アンモニア(10)、アセチレン(4)混合ガスを800℃の炉に入れることでスパッタ蒸着したNi薄膜上に成長させている。現在、太さ20〜60nm、長さが30μm程度まで成長できている。現在、基板上へしっかり付着させること、細い特長を生かして電界を集中させ、電子放出源としての可能性を真空、ならびに大気圧で検討している。同時に、既存のXPS装置を用いてその仕事関数を調べたところ、表面処理をすることでCNTの仕事関数を変化させることに成功した。この様子は、高分解能走査電子顕微鏡、透過電子顕微鏡によって形状的にも確認した。また、XPS分析によって酸素や窒素の混入が確認されている。一方、レーザアブレーションでは、これまでも行っていたPTFE薄膜作成では、背景の圧力との関係を詳細に検討した。現実には、テフロンにレーザ照射するだけでガスが発生する。このガスの存在が薄膜の性質に大きな影響を及ぼすことが判明した。また、XPS観測でも酸素の存在が大きく影響している。また、PTFEのみでなく、まったく性質の異なる二酸化チタンセラミック薄膜の作成にも成功した。肉眼で観測した範囲では、一様な膜が出来る。誘電体薄膜、触媒としての可能性を今後検討したい。水晶膜圧測定は、冷却上の問題で次年度以降に改良する予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] S.Lee, T.Oda: "Electron Emission Properties of Carbon Nanotubes Synthesized by Chemical Vapor Deposition"静電気学会講演論文集. 163-166 (2002)
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[Publications] 李 善雨, 小田哲治: "カーボンナノチューブの電子放出特性に及ぼす化学処理の影響"2003年度静電気学会春季講演会論文集. 45-48 (2003)
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[Publications] Kazuo Shimizu, Shusuke Saeki, Go Yamada, Tetsuji Oda: "Emission Spectrometry of NO or Activated Nitrogen Species in Non-thermal Plasma"Conference Record of 2002 IEEE-IAS Annual Meeting. 1802-1828 (2002)
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[Publications] R.Ono, T.Oda: "Dynamics and density estimation of hydroxyl radicals in a pulsed corona discharge"J.Phys.D(Appl.Phys). 35. 2133-2138 (2002)
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[Publications] T.Oda, T.Takahashi, K.Yamaji: "Non-Thermal Plasma Processing for Dilute VOCs Decomposition"IEEE Trans.Ind.Appl.. 38. 873-878 (2002)
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[Publications] 小田哲治: "静電気基礎現象 静電チャックとの関係"真空. 45. 626-632 (2002)