2003 Fiscal Year Annual Research Report
フレキシブルな構造を持つ有機単電子トンネル素子特性
Project/Area Number |
14655118
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岩本 光正 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40143664)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 徹 独立行政法人通信総合研究所, 関西先端研究センター, 主任研究官 (00205139)
周 しん 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 準客員研究員
間中 孝彰 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (20323800)
|
Keywords | フレキシブル / 有機単電子トンネル素子 / ポリイミド / ポリエチレン |
Research Abstract |
本研究では、有機材料のフレキシブルな性質を分子レベルでの柔軟性と分子集合体の柔軟性という2つの観点から研究し、有機単電子トンネル素子特性を通してその検証を試みるものである。前者では金属/トンネル層/有機分子/トンネル層/金属(STM電極も含む)からなる素子の中間電極として、光応答性の有機分子を用い、外部刺激に対する分子形状変化に伴う素子特性という点から研究する。一方後者では、構造が明確なカーボンナノチューブやヘリックス構造を持つDNA、さらにフレキシブルな電極金属として用いることが可能な導電性高分子(ポリピロールなど)を用いた有機分子膜の構造に関して弾性体理論を用いて解析した上で、そのエネルギー構造を決定し、これを有機単電子素子特性に結び付ける。 本年度は、まずフレキシブルな構造体における伝導機構を議論する上で重要となる界面の効果について検討した。ペンタセンを用いたFETにおいて、表面処理の影響について観測したところ、表面電位の変化が観測され、これがFET特性に大きく影響することが明らかとなった。続いて空間電荷が有機単電子トンネル素子特性に与える影響を、理論的および実験的に検討した。微小導体モデルを用いた理論解析からは、クーロンステアケースのしきい値が微小電極に誘起した電荷量に比例してシフトすることが予想される。実際に光照射によって界面空間電荷分布を変化させ、このしきい値シフトを観測に成功し、これを光誘起ゲート効果と定義した。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 岩本光正: "分子膜ナノ界面の電子的構造"静電気学会誌. Vol.27,No.2. 58-63 (2003)
-
[Publications] Yutaka Noguchi: "STM observation of Coulomb staricase behavior through C60 clusters"Current Applied Physics. Vol.3,No.5. 397-399 (2003)
-
[Publications] Takaaki Manaka: "Electrical properties of unsubstituted/fluorine-substituted phthalocyanine interface investigated by Kelvin probe method"Thin Solid Films. Vol.438,No.1. 157-161 (2003)
-
[Publications] Yutaka Noguchi: "Single-electron transport in metal/polyimide : C60/metal junction"Thin Solid Films. Vol.438,No.1. 369-373 (2003)
-
[Publications] Takaaki Manaka: "Electrostatic Properties of Polyethylene Langmuir-Blodgett films"Japanese Journals of Applied Physics Part1. Vol.42,No.10. 6473-6476 (2003)
-
[Publications] Yutaka Noguchi: "Photoinduced Gate Modulation and Temperature Dependence in the Coulomb Staircase of Organic Single Electron Tunneling Junctions"Japanese Journals of Applied Physics Part1. (掲載予定). (2004)