2002 Fiscal Year Annual Research Report
半導体中の光励起プラスマを利用した周波数アップコンバータの研究
Project/Area Number |
14655128
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
ペイ 鐘石 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (20165525)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 亮 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (30333892)
莅戸 立夫 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (00261149)
|
Keywords | 周波数変換 / ドップラー効果 / 半導体 / 光励起プラズマ / 高周波伝送線路 |
Research Abstract |
本年度は、光励起半導体プラズマを用いたドップラーシフト型周波数変換法を実験的に検証するための準備を行った。先ず、本周波数変換方式の理論構築を目的に、高速運動する高周波伝送線路中での電波伝搬を特殊相対論および高周波伝送理論に基づき定式化した。特に、運動座標系において、伝送線路を不均一媒質として取り扱う数学的方式を新たに導入することに成功し、光励起プラズマの境界における反射波および透過波に対する解析解を得た。これにより、本周波数変換動作解析理論の基礎をほぼ確立した。 次に、検証実験で予定しているマイクロ波からミリ波への周波数変換について、上記理論に基づき種々の高周波伝送線路に対し、実際的なプラズマ密度分布を考慮して数値解析を行った。その結果、波長532nmのYAGレーザーで励起されたシリコン基板を持つコプレーナ線路において、10^<20>/cm^3という低密度プラズマにより80%以上の電力変換効率が得られることが分かった。また、周波数増倍率を10から30まで変化させても、この電力変換効率は殆ど変化しないことが分かり、本方式の有用性を明らかにした。この結果に基づき、科学技術振興事業団の有用特許制度を利用し、本周波数変換方式の特許申請を行った。 理論解析と同時に検証用実験装置開発を進めた。シリコンを基板として用いたコプレーナ高周波線路を実際に製作し、マイクロ波帯での伝搬特性を明らかにした。また、光遅延回路として種々の方式を検討し、装置製作および遅延時間調整の容易さから、長さの異なる光ファイバーをアレイ状に配列した回路とすることに決定した。また、出力波検出に必要なサブナノ秒の応答速度を持つ導波管型ショットキ・ダイオード検出回路を新たに製作した。現在、その動作特性の確認を進めている所である。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] ぺい鐘石: "光励起半導体プラズマを用いた周波数アップコンバータ"電子情報通信学会2003年総合大会講演論文集. C-14-13. 1-1 (2003)
-
[Publications] ぺい鐘石: "高周波線路中を高速移動する光励起半導体プラズマ反射面を用いた周波数変換"第50回応用物理学関連連合講演会予稿集. 30a-YQ-3. 1-1 (2003)
-
[Publications] Jongsuck Bae: "Frequency Conversion Using a Moving Plasma Front Generated Optically in Transmission Lines-Theoretical Analyses-"International Microwave Symposium, Philadelphia, USA. IFWE-42. 1-4 (2003)