2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14655131
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
杉浦 修 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (10187643)
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Keywords | 銅配線 / ポリイミド / ベンゾトリアゾール / 無電解めっき / 多層配線 |
Research Abstract |
本研究の目的はポリイミドのキュア工程において銅表面を保護する有機インヒビターを見出し、そのインヒビターを用いて多層銅配線構造を形成して配線抵抗等の観点から集積回路応用への可能性を明らかにすることにある。本年度は有機インヒビターにベンゾトリアゾール(BTA)、ポリイミド膜に感光性ポリイミド(HDマイクロシステムズ社製・PL5053)を使用し、次の2点について検討した。 1.銅板上のポリイミド膜のリーク電流 2.ポリイミド膜上の無電解銅めっき 銅(Cu)板をBTA水溶液に浸漬後、ポリイミド膜を形成して、その表面にアルミニウム(Al)電極をつけた。Cu板-Al電極間の電流-電圧特性を測定したところ、BTA処理を施さなかった試料ではAl電極を負、Cu板を正にバイアスした場合、その逆極性よりも約3倍のリーク電流が観測されたのに対して、BTA処理した試料のリーク電流は低く、バイアス極性依存性は観測されなかった。BTA水溶液濃度1x10^<-4>M、温度100℃で処理した試料のリーク電流は10分の1まで低下した。これはBTA未処理の試料ではポリイミド膜キュア工程で発生する水分でCu板が腐食し、Cuイオンがポリイミド膜中に溶出したのに対して、BTA処理にした試料ではCuイオン溶出現象が抑えられたためと説明できる。 ポリイミド膜上に銅を無電解めっきする実験では、既存の共有実験装置で堆積した白金パラジウム(PtPd)と本研究費で購入したマグネトロンスパッタ装置で堆積した金(Au)のどちらも無電解銅めっきの触媒として働くことを確認した。また、めっき液には従来の高pH(=13)で使用するめっき液の他に、中性(pH=6.8)で使用可能なめっき液を探索し、通常のフォトレジストで選択めっきできることを確認した。 以上により、次年度の配線構造における評価実験の基礎を固めた。
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Research Products
(1 results)