2002 Fiscal Year Annual Research Report
磁気ディスク装置位置決め系の振動外乱の影響の抑制制御技術
Project/Area Number |
14655157
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
平井 洋武 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (90314070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川福 基裕 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (70321437)
岩崎 誠 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (10232662)
神藤 久 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (20093099)
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Keywords | 磁気ディスク装置 / 位置決め制御 / 同期外乱抑圧 |
Research Abstract |
(1)磁気ディスク装置における位置外乱の影響の解明 磁気ディスク装置を対象として、磁気ヘッドの変位をヘッド制御信号と比較を行うことで、ヘッドとトラックの相対的位置ずれを詳細に観察する。実験結果及びシミュレーションにより振動系及び制御系の解析を行い、アクチュエータを含む位置決め機構、除振機構等の振動系のモデル化を行う。この結果に基づき、位置外乱の影響を定量的に明らかにし、磁気ディスクの位置決めに影響を与える各外乱成分の分離を行った。これらの結果を基に、詳細な数値モデルに基づくシミュレータを作成した。また、各外乱成分の、位置決め精度に対する影響について検討し、制御系設計に活用する基礎データの収集を行った。 (2)外乱推定技術及び外乱抑圧技術 (1)の結果に基づく詳細なシミュレーションモデルを利用して、外乱の作用時点とその大きさを推定する技術として、周波数領域における外乱分離手法を試みた。分離した周波数特性を基に時間領域における各外乱モデルを作成し、外乱モデルを含む精密なシミュレータを作成することが可能となった。このシミュレータを用いたシミュレーションの結果から、外乱成分の中でもディスク回転に伴う同期外乱成分が、位置決め精度に大きく影響していることが判明した。 外乱分離結果に基づき、外乱に対する位置決め精度を向上させる技術として、適応制御系を適用した。本年度は、特に周期性があり、位置決め誤差に大きく影響する同期外乱成分の抑圧を試みた。このとき、(1)で作成したアクチュエータの精密モデルを用いることで、より正確にリアルタイム適応制御が可能となり、本手法を用いない時と比較して、約80%の外乱抑圧を可能とした。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 川福基裕, 野々山和徳, 平井洋武, 小林正人, 奥山淳: "H∞制御系設計法を用いた磁気ディスク装置の外乱抑圧制御に関する研究"IIP2002情報・知能・精密機器部門講演会講演論文集. 224-225 (2002)
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[Publications] M.Kawafuku, J.Nonoyama, H.Hirai, M.Kobayashi, A.Okuyama: "Disturbance Rejection Control of a HDD using Mixed Sensitivity Approach"Proc. of International Workshop on Advanced Motion Control (AMC-2002). 381-385 (2002)
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[Publications] 大津一宏, 川福基裕, 岩崎誠, 平井洋武, 小林正人: "適応フィルタを用いた磁気ディスク装置の同期外乱抑制"電気学会全国大会後援論文集. No.4. 365-366 (2003)
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[Publications] M.Kawafuku, K.Otsu, H.Hirai, M.Kobayashi: "High performance controller design of HDD based on precise system modeling using differential interation method"Proc. of American Control Conference(ACC03). (発表予定).