2003 Fiscal Year Annual Research Report
セルオートマトンを利用した地球温暖化防止のためのCO_2深部岩盤貯留技術の研究
Project/Area Number |
14655172
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大西 有三 京都大学, 工学研究科, 教授 (30026348)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 哲 京都大学, 工学研究科, 助教授 (00324658)
大津 宏康 京都大学, 工学研究科, 教授 (40293881)
|
Keywords | 格子ガスオートマトン法 / 亀裂ネットワークモデル / 浸透流・地下水 / 単一亀裂中 |
Research Abstract |
本研究における研究実績は次の通り要約される. 1.格子ガスオートマトン法による浸透流・地下水移行問題解析のためのプログラム開発 2.上記手法の亀裂ネットワークモデルへの適用による浸透流・地下水移行問題解析プログラムの開発 具体的には次の通り. (1)セルオートマトン法は,自然の複雑性を人の手を介せずに再現させる手法であり,その際,必ずしも複雑な現象のレベルにおける情報や知識を必要としない.従って,セルオートマトン法は既に複雑系の中でも生命現象の解明にすぐれた業績を残しているが,岩盤中の浸透流の解析への適用例は無いので,単一亀裂中の水理挙動のシミュレーション結果の評価により,開発手法の妥当性を検証した. (2)格子ガスオートマトン法は,対象を正多角形で敷き詰めた格子に分割し,単位質量の粒子を格子線上に移動させていく手法である.その後,粒子の移動,衝突および散乱を表現するために,隣り合う格子点の粒子の衝突過程を,質量と運動量を保存するように単純に繰り返していく.この手法の応用によって,亀裂ネットワーク中の水理挙動のシミュレーション技術を構築した.なお,本研究では岩盤の亀裂ネットワークモデルも自己組織化の原理によって構成することを試み,次にその亀裂を流れる流体を不連続な集まりで捉え,単純なレベルの衝突で時系列的に追跡していく格子ガスオートマトン法を用いて浸透流と物質移行を解析するという手法によって解析する手法を開発した. 本研究によって,岩盤中の帯水層に溶解したCO_2の水理挙動の時間・空間的なパターンにおける不規則性を,不規則なままで解析するという新たな解析法を構築することを実現した.
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] 青木研一郎, 大西有三, 大津宏康, 西山哲, 矢野隆夫: "垂直応力一定下における岩盤不連続面形状と透水特性に関する実験的研究"平成15年度土木学会関酉支部年次学術講演会概要集. III33-1-III33-2 (2003)
-
[Publications] Chiba, S., Ohnishi, Y., Ohtsu, H., Nishiyama, S.: "The Development of New Apparatus Considering the Effect of Shear Deformation on Hydraulic Characteristics of a Single Joint"Proc.of the first Kyoto International Symposium on Underground Environmental Rock Engineering. 93-100 (2003)