2002 Fiscal Year Annual Research Report
浸漬型ナノろ過膜分離バイオリアクターによる排水の超高度処理
Project/Area Number |
14655188
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 和夫 東京大学, 環境安全研究センター, 教授 (60143393)
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Keywords | ナノ濾過 / メンブレンバイオリアクター / 膜分離活性汚泥法 / 排水処理 / 高度処理 / 浸漬膜分離 / 中空糸モジュール / 溶存有機物質除去 |
Research Abstract |
本研究は、栄養塩除去、内分泌撹乱化学物質を含む溶存有機物質の高度な除去を同時に達成する浸漬型ナノ濾過膜分離バイオリアクターを開発し、実験室規模の連続運転により超高度処理システムとしての安定運転性能を実証し、家庭用小型浄化槽としての実用化可能性を工学的に評価することを目的とした。具体的には、1)中空糸膜を応用した長期安定性能を有する浸漬モジュールを開発する。2)100日以上の連続実験により、処理性能を評価する。3)さらに、上記バイオファウリングによる表面特性の変化を詳細に検討し、設計にあたっての重要な工学的情報を得ることを目標とした。 1)2)については、人工下水を用いた実験ではあるが、塩素阻止率の比較的低い中空糸NF膜モジュールを曝気槽に懸架し、下部から曝気し吸引ろ過で処理水を得る装置により、特別な洗浄無しで75日すなわち目標の3/4の期間の連続運転を達成した。滞留時間は1日であり、戸別浄化槽としての実用可能性は高いと判断できた。ただし、原子間力顕微鏡等を用いた項目3)の検討により、バイオファウリングが特に60日以降進行し、膜表面の劣化が進行したことが判明した。これは、膜材質が2酢酸セルロースであったことが大きいと判断され、生物分解が進行した結果であると結論できた。これを防ぐためには、ポリアミド系の膜等を使用することが考えられた。これより、実下水を用いてポリアミド膜と3酢酸セルロース膜を用いた実験を行った。処理性能としては、処理水TOCを1mg/L以下を達成できることが実証できた。しかし、タイトな膜では塩素阻止率が高く、稠密なモジュール形態では浸透圧の上昇による有効ろ過圧力の減少が吸引ろ過であるので無視できないことがわかった。従って、モジュール構造としては膜糸をフリーに懸架する構造で問題は解決される判断され、実用化は可能であると結論される。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Choi J.H., Dockko, K.Yamamoto: "A novel application of a submerged nanofiltration membrane bioreactor (NF MBR) for wastewater treatment"Desalination. 146. 413-420 (2002)
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[Publications] Jae -Hoon Choi, Kazuo Yamamoto: "Development of a submerged nanofiltration membrance bioreactor(NF MBR) for wastewater reclamation"Proceedings, Water Reuse & Desalination Conference, Singapore, 25-26 February, 2003. (CD/ROM). 12 (2002)