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2003 Fiscal Year Annual Research Report

放射線当量を用いる化学物質誘発がんリスク評価モデルの開発

Research Project

Project/Area Number 14655190
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

森澤 眞輔  京都大学, 工学研究科, 教授 (50026340)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 中山 亜紀  京都大学, 工学研究科, 助手 (10335200)
Keywords放射線当量 / 線量率効果 / ベンゼン / ベンゼン代謝物 / カテコール / ハイドロキノン / 白血病
Research Abstract

染色体異常は白血病の根源事象であることから、染色体異常を指標として推定される放射線当量がベンゼンの白血病リスクの算定に有効であると考えられる。本研究では、染色体異常を指標としたより詳細なベンゼンの白血病リスク評価を目指し、チャイニーズハムスター卵巣由来細胞(CHO-K1細胞)の染色体異常を指標として、具体的に下記の目的を設定した。1.線量率効果を考慮した低線量・長期曝露の影響を評価すること、2.ベンゼン代謝物のカテコール(以下CAT)・ハイドロキノン(以下HQ)の複合的な影響を評価すること、3.これらを統合したベンゼンの放射線当量を求めること、4.ヒト血液細胞での染色体異常を指標としたベンゼンの放射線当量評価を行うこと、及び5.放射線当量を用いたベンゼンの白血病リスク評価を行うこと。結論を以下にまとめる。1.CHO-K1細胞を用いた染色体異常試験より線量率効果係数は1.89と求められた。2.CHO-K1細胞における染色体異常試験より、HQ・CATを複合曝露することで高頻度に染色体異常が誘発されることを明らかにした。3.HQ、CAT、およびHQ-CAT複合曝露による放射線当量はそれぞれ0.0401、0.0747、0.0789[Gy/μM]と求められた。4.ヒト抹消血リンパ球を用いた染色体異常試験とCHO-K1細胞を用いた場合とを比較するとγ線では染色体異常の頻度に差は見られないが、CATでは約3倍高頻度に染色体異常が誘発されることを明らかにした。この結果から、CATの放射線当量は0.282[Gy/μM]と求められた。5.CHO-K1細胞、ヒト抹消血リンパ球に誘発される染色体異常誘発頻度より、ベンゼン代謝物の放射線当量を求め、ベンゼン代謝物の白血病発症リスクをそれぞれ1.9x10^<-4>,2.1x10^<-4>と算定したが、これは疫学データから推定されたEPAの算定値と比較して約100倍程度過小評価となった。今後、ベンゼン代謝物の複合曝露も含めたヒト正常骨髄細胞の染色体異常解析を行う必要がある。

  • Research Products

    (2 results)

All Other

All Publications (2 results)

  • [Publications] 中山亜紀, 菊池卓郎, 森澤眞輔: "放射線当量を用いたベンゼン代謝生成物誘発染色体異常のリスク評価"日本リスク学会第16回研究発表会講演論文集. 第16巻. 283-287 (2003)

  • [Publications] Aki Nakayama, Takuro Kikuchi, Shinsuke Morisawa: "The Estimation of Radiation Equivalent Dose for A Benzene Metabolite"Midterm Report of JSPS-VCC 'Environmental Science'. R-84-R-87 (2003)

URL: 

Published: 2005-04-18   Modified: 2016-04-21  

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