2002 Fiscal Year Annual Research Report
地方都市における中心市街地の衰退メカニズムの解明と研究手法の開発
Project/Area Number |
14655220
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
佐藤 滋 早稲田大学, 理工学部, 教授 (60139516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志村 秀明 早稲田大学, 理工学部, 助手 (10333139)
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Keywords | 中心市街地 / 地方都市 / 住み替え |
Research Abstract |
1.地方都市中心市街地の居住の実態と特性の解明 地方都市圏における中核性、人口規模などから、山形県鶴岡市(人口約10万人)、福島県福島市(人口約28万人)、群馬県高崎市(人口約30万人)、香川県善通寺市(人口約3.5万人)の4都市を選定し、住民基本台帳に基づく町丁目レベルでの個人別・世帯別の住み替えの履歴に関するデータを収集した。 1)町丁目レベルの個人別、世帯別データの解析 (1)転入・転出における住み替え特性の解明 市外から市内への異動を転入、市内から市外への異動を転出と定義し、中心市街地の人口減少が転入・転出によるものではないことを明らかにした。また、転入・転出においては、広域的な流動層が高い比率で存在することが明らかになった。この傾向は都市規模にかかわらず、対象都市共通の傾向である。 (2)転居における住み替え特性の解明 市内における住み替えを転居と定義し、転居前後における居住地の関係をクラスター分析することにより、転居において居住地異動の指向性が明らかになった。 2)中心市街地における居住のタイプ分類 中心市街地における居住の実態をタイプ分類し、どのような住み替えタイプが地方都市中心市街地において存在しているのかを明らかにした。また、対象都市の比較検証から、地方都市に共通する住み替えタイプが、おおむね共通することが明らかになった。 以上のことから、若年単身の転出による世帯規模の縮小、世帯形成期の近郊部への転居などの関係が明らかになり、中心市街地の人口減少のメカニズムが解明されつつある。 2.中心市街地の基盤整備・市街地整備事業が居住動向に及ぼす影響の解明 ここでは、対象都市の近郊部において実施された区画整理事業が、中心市街地の転居に与えた影響について分析した。その結果、区画整理事業地区では、分譲住宅の供給が少なく、賃貸住宅が多く供給されており、賃貸住宅の供給は中心市街地の人口減少に大きな影響を与えていないことが明らかになった。
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Research Products
(1 results)