2003 Fiscal Year Annual Research Report
面要素に着目した遺跡・遺構部材の復元推定支援システムの開発
Project/Area Number |
14655225
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Research Institution | Miyakonojo National College of Technology |
Principal Investigator |
中村 裕文 都城工業高等専門学校, 建築学科, 講師 (50249893)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林田 義伸 都城工業高等専門学校, 建築学科, 教授 (00149999)
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Keywords | 遺構部材測量 / 三次元モデリング / 三次元逆変換 / 復元支援 |
Research Abstract |
遺跡、遺構は過去に何らかの理由で放棄され時間の経過とともに風化・埋没してしまうなど、完全な形状を保った状態で発見・調査されることは少ない。そのため研究の過程で原形状を推定・復元が行われてきた。この問題に対して、本研究では遺跡部材が3次元の幾何立体であることに着目し、その面要素の相互関係から摩耗、欠損で失われた部分を推定するシステムを構築し実際の遺構部材で試行し検証をおこなった。 遺構部材を幾何立体としてとらえると、その周縁部や頂点部は部材を構成する面要素の交線や交点であると考えられる。そこで、遺構部材を構成するそれぞれの面要素の相対的位置関係を測量し、面相互の交点、交線をもとめることで周縁部・頂点部を求めることができる。この原理を応用し、遺構部材中で比較的磨耗欠損の影響を受けやすい周縁部・頂点部の形状を推定するためのモデリングを行うシステムを構築した。 従来の測量方法では測定が困難であった面の相対的位置情報を取得するために、写真逆変換ソフトウエアを利用し、3次元CADプログラムの立体演算機能を使用して面的要素から周辺部、頂点部を求めることとした。3次元CADの立体演算機能を利用することで、測量、3次元モデル化、図化作業を一貫して行える利点がある。 構築したシステムの有効性を検証するためギリシアの遺構部材を測量し、その有効性を検証した。その結果、この方法は実測図に求められるディティールなどの測量には向かないが、大型の部材の断面形状の測定や欠損した周縁・頂点の仮定等で利用可能であることが検証された。そのためほかの測量手法と組み合わせることで遺構測量の補助的な手段として有効に利用可能なシステムであることが検証された。 本システムでは遺構部材の面要素の相対的位置測量は写真逆変換によっているため、対象となる部材の大きさに席減があるが、三次元スキャナやレーザー測量装置などの立体測量装置を利用することで、より大型の部材や、遺構そのものの測量への応用発展が期待できる。
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Research Products
(1 results)