2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14655232
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
板倉 賢 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助教授 (20203078)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
友清 芳二 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 教授 (40037891)
波多 聰 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助手 (60264107)
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Keywords | 高圧実験 / X線吸収微細構造 / ダイヤモンドアンビルセル / 価数揺動 / f電子系 / セリウム合金 / 放射光 / 高圧X線回折実験 |
Research Abstract |
非対称形状のダイアモンド製アンビルとBe製ガスケットを装着した小型高圧発生装置(非対称ペア型DAC)により,まったく同一の加圧状態にある極微量の試料からX線吸収微細構造(XAFS)スペクトルとX線回折(XRD)パターンを一度に測定する技術を開発した. 我々が考案した非対称ペア型DACでは,片側の極薄ダイヤモンドを貫いて放射光(文科省高エネルギー加速器研究機構;BL12Cを使用)を試料に入射し,これと直交方向に放出される蛍光X線をBeガスケットを通して半導体検出器で測定する.そのため,ダイヤモンドによるX線の吸収や回折の影響を本質的に除去した測定が可能であり,さらに高圧セル構造に数々の改良を加えることで,最大約7GPaの高圧力を加えた合金試料から通常の透過法に匹敵する高S/N比のCe-L_3殻XAFSスペクトル測定が実現できた.この測定を,結晶構造が異なるだけで全く相反する電気抵抗の圧力依存性を示すCe_3Al合金のα相とβ相に適用した結果,いずれの相中のCeも7GPa程度までは完全に3価の状態を保つことが明らかとなった。この結果は,価数変化を伴うとする従来の高密度近藤効果の発現機構では説明できず,今後高圧下での結晶学的情報や帯磁率測定などを行って解明していく必要があろう. 一方,高圧XRD測定については,入射X線11.4keV,ビーム径0.2×0.2mm^2,カメラ長7cm,露光時間60分にて自作平板カメラ(富士イメージングプレート:IP)で記録した.まだ,角度分解能やカメラ長の補正法などに改良の余地はあるものの,高圧XAFS測定と同一の非対称ペア型DACにより放射光XAFSビームラインにて高圧X線回折パターンを得ることができるようになり,高圧XAFS+XRD同時測定が可能となった.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] N.Kuwano, et al.: "Transmission Electron Diffraction Analysis of Crystallographic Orientation of β-FeSi_2 Produced by Sputtering on Si(001) Substrate"Jpn.J.Appl.Phys.. 42・1. 86-87 (2003)
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[Publications] S.Hata, et al.: "HRTEM Observation of Partially Ordered Long-Period Superstructures in Al-Rich TiAl Alloys"Mat.Res.Soc.Symp.Proc.. 753. 175-180 (2003)
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[Publications] T.Yoshitake, et al.: "Semiconducting nanocrystalline iron disilicede thin films prepared by pulsed-laser ablation"Appl.Phys.Lett.. 83・15. 3057-3059 (2003)
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[Publications] T.Nakano, et al.: "Selectivity of anti-phase boundary introduced in Al_5Ti_3 superstructure"Materials Science Forum. 426-432. 1763-1770 (2003)
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[Publications] 板倉 賢, 他: "Si(001)基板にエピ成長させたβ-FeSi_2スパッタ膜"まてりあ. 42・12. 888 (2003)