2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14655233
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉川 信一 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10127219)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐伯 功 室蘭工業大学, 材料物性工学科, 助教授 (50235090)
|
Keywords | 低温窒化 / 窒化鉄 / スパッタ / 巨大磁化 |
Research Abstract |
α-Fe微結晶を110℃程度の低温でアンモニア気流中にて窒化すると、Fe_<16>N_2がバルク体として得られた。これを薄膜でも実現することを目指して、高周波スパッタ法にて成膜時間を変化させて膜厚の異なるα-Fe薄膜を作製して、低温窒化する可能性を検討した。現有の高周波スパッタ装置を改造して、成膜したα-Fe薄膜を大気に曝すことなく直接反応室に導入して、アンモニア窒化した。60分間スパッタ成膜した膜厚360nm程度のα-Fe薄膜は、220℃以下の反応温度では全く窒化しなかった。短時間成膜した薄い薄膜ほど、Fe_3Nなどの窒化鉄の生成温度が低温化した。成膜時間が短いほど、XRDではα-Fe結晶格子が膨張するとともに、結晶子が微細化していた。また走査型プローブ顕微鏡による観察では、微細な粒子が疎に詰まって互いに連結した組織をもつことが明らかになった。これらの要因によって、短時間成膜した薄い薄膜ほど窒化温度が低温化したと思われる。しかし窒化反応によってα-Fe結晶格子が膨張して、発生する結晶格子のストレスを、α-Fe微粒子が連続した薄膜では解消しきれずに、Fe_<16>N_2が得られないのではないかと思われた。今後は微粒子が独立した薄膜の組織を形成して、Fe_<16>N_2からなる薄膜の形成を目指す予定である。
|
Research Products
(2 results)