2002 Fiscal Year Annual Research Report
水溶性ジルコニウム塩で分散安定化した濃厚化極限セラミックス泥漿を用いたその場成形
Project/Area Number |
14655237
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
櫻田 修 岐阜大学, 工学部, 助手 (10235228)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾畑 成造 岐阜県セラミックス技術研究所, 主任研究員
橋場 稔 岐阜大学, 工学部, 教授 (90021617)
|
Keywords | セラミックス成形法 / その場成形法 / アルミナ / 泥漿 / 水溶性ジルコニウム塩 / 尿素 / 尿素加水分解酵素 / 撹拌脱泡装置 |
Research Abstract |
本研究の目的は,水溶性ジルコニウム塩を添加して安定化した濃厚泥漿の成形法確立のための基礎研究である.これまでの研究で我々はアルミナ,ジルコニア,炭化ケイ素についていずれの場合もオキシ・ジルコニウム塩の添加により弱酸性領域で分散・流動性が向上し,最適なpH範囲からpHが上昇するとその流動性が極端に悪くなることを泥漿の流動挙動の測定から示してきた.特にアルミナ泥漿の場合、pHが4.3付近でニュートン流動に近い良好な流動挙動が得られ,そのpHよりも低くなっても高くなっても流動性が悪くなること,このpH4.3付近で60vol%という極めて高濃度な泥漿を調製することが可能であることを見出した.この泥漿濃度は,泥漿として型に流し込むために十分な流動性を保つと同時に,乾式プレス成形で得られる成形体の密度(一般に良好なもので58%程度)をはるかに超えるものであった.このことから調製した濃厚泥漿を型に流し込んだ後,均一にpHを上昇することが可能であれば極限近傍まで濃厚化した泥漿は流動性を失い固化できると考え,現在その場成形法の研究を遂行している.その結果,泥漿のpHを均一に上昇するための方法の一つとして尿素-尿素加水分解酵素の反応に着目し,あらかじめ尿素を泥漿調製時に添加し,型に流し込む直前に尿素加水分解酵素を添加する新規なその場直接成形法を開発することができた.また,濃厚化極限近傍の泥漿の調製,ならびに型に流し込む直前に添加する酵素の均一な混合に本申請で購入した撹拌脱泡装置を使用する検討も進行中であり,泥漿調製の短時間化,均質な混合状態が得られることが期待でき,日本セラミックス協会2003年年会でその一部を公表する予定である.
|
Research Products
(1 results)