2002 Fiscal Year Annual Research Report
均一な空間分布のマイクロ波誘起常圧プラズマ発性のための誘起体のマクロ構造制御
Project/Area Number |
14655242
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
清水 康博 長崎大学, 大学院・生産科学研究科, 助教授 (20150518)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兵頭 健生 長崎大学, 工学部, 助手 (70295096)
江頭 誠 長崎大学, 工学部, 教授 (60037934)
|
Keywords | マイクロ波誘起プラズマ / 大気圧プラズマ / SiC多孔質焼結体 / FeSi / シリコンスクラップ / MoSi_2 / ダイオキシン類似化合物 / 環境浄化 |
Research Abstract |
本研究では、モノクロロベンゼン等のダイオキシン類似化合物をマイクロ波誘起プラズマで高効率に分解するために、プラズマ誘起体の最適なマクロ構造を設計することを目的としている。この目的のために、まず、マクロ構造を制御していない各種プラズマ誘起体からのO_2-N_2混合ガス中でのプラズマの発生状態と発生したプラズマによるモノクロロベンゼン(MCB)の分解特性を比較検討した。プラズマ誘起体としては、SiC多孔質焼結体、FeSi、シリコンスクラップおよびMoSi_2を用いた。0.16%MCB-3.0〜10%O_2-N_2気流中でこれらの誘起体にマイクロ波(150W程度)を照射してプラズマを発生させ、モノクロロベンゼンの分解挙動を調べた。用いた誘起体の中では、MoSi_2のみプラズマの熱によって微細構造が変化し、N_2ガス気流中で長時間安定にプラズマを発生できなかった。他の誘起体については、プラズマを長時間安定に発生でき、プラズマが発生していれば雰囲気中の酸素濃度に係わらず、MCBの転化率はほぼ100%になった。ただし、酸素濃度が3.0%と低い場合にはCOが300ppm程度生成し、酸素濃度の増加とともにCOの生成量は減少した。したがって、CO_2への完全酸化のためには、10%程度の酸素の添加が必要であった。なお、酸素添加量を増加すると、NO_xの生成量は逆に増加した(10%O_2添加時に約1.5%のNO_xが生成)。以上の結果から、SiC多孔質焼結体、FeSiまたはシリコンスクラップを誘起体に用いて窒素ガス雰囲気中で発生させたマイクロ波でMCBをほぼ完全に分解できることがわかった。ただし、N_2ガス雰囲気中でのプラズマ発生により多量のNO_xが生成するので、その除去方法を検討する必要がある。
|