2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14655252
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉田 肇 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (90005950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 久道 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (00161571)
山浦 真一 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (50323100)
井上 明久 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (10108566)
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Keywords | 水素吸蔵 / ナノ粒子 / 界面 / 急冷凝固 / 電池材料 |
Research Abstract |
本年度(14年度)は、まず出発材Zr-Pd合金系のPd添加量を系統的に変化させた試料および出発材Zr-Pd合金系にNiを系統的に添加した試料を現有装置である単ロール液体急冷装置を用いて作製し、酸化熱処理(280〜400℃,24時間,大気中)を施してセラミックス-金属粒子複合材料を作製した。これら各試料の水素吸蔵特性を現有のジーベルツ型水素吸蔵特性評価装置を用いて調べた。その結果、Zr-Pd二元系ではPd量の減少に従って複合試料全体の水素吸蔵量[mass%(H/sample)]も減少する一方、Pd重量のみで求めた吸蔵量[mass%(H/Pd)]は逆に増加した。これは、Pd量が少ないほどZrO_2セラミックス母相中にPd粒子が孤立・分散したため、Pd粒子の水素吸蔵効率は上昇したと考えられる。また、Zr-Pd合金系にNiを系統的に添加した試料を見てみると、出発材Zr_<65>Pd_<35-x>Ni_x(x=0〜35at.%)を400℃で24時間大気酸化させた試料では、Ni添加量がx=0〜20at.%の範囲でNi量が増加しPd量が減少するに従って水素吸蔵量[mass%(H/sample]は減少したが、x【greater than or equal】25at.%の組成では逆に上昇に転じ、x=30at.%付近で水素吸蔵量が最大値(約1.8mass%)を示した。この原因を探るためX線回折パターンを調べたところ、x【greater than or equal】25at.%の組成では出発材Zr-Pd二元系を酸化させて作ったようなセラミックス-金属粒子複合材料とは異なった組織を持ち、Zr-Pd-O複合酸化物相とNiO酸化物相が生成され、このZr-Pd-O相およびNiO相が水素を多量に吸蔵していることが分かった。この組成付近では、高い水素反応性を利用した、触媒材料への応用に期待が持たれる。
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