2002 Fiscal Year Annual Research Report
メカノケミカル反応による光触媒系と金属との複合型抗菌・抗カビ材料に関する基礎研究
Project/Area Number |
14655275
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Research Institution | Miyagi National College of Technology |
Principal Investigator |
丹野 浩一 宮城工業高等専門学校, 材料工学科, 教授 (50042247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 友章 宮城工業高等専門学校, 材料工学科, 助教授 (70261584)
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Keywords | 抗菌材料 / 光触媒 / 酸化チタン / ほたて貝殻 / リサイクル |
Research Abstract |
近年、効果の持続性を考慮した建材ならびに工業製品に対する新たな無機系抗菌材料の開発に注目が集まってきている。本研究では次の研究目標を挙げて本助成の下研究を行った。 1、多様な金属およびセラミックスなど無機系元素の抗菌抗かび効果を明らかにすること。 2、内部抗菌型の複合焼結型抗菌材料を開発すること。 今年度は実用面が急がれている背景と、抗菌の市場現況を早期に把握することから、まず2について基礎研究を行った。 本研究では、下記の3つ事項について調査ならびに研究を行なった。 (1)市販の抗菌製品の抗菌性能を調査した。 (2)ポリエステル樹脂に光触媒系酸化チタンに金属を混練した粒子分散樹脂の基礎的抗菌性を調べた。 (3)成形ベースとしてS_iO_2を用いて、光触媒系酸化チタンに環境影響の少ない金属と、廃棄物リサイクルの観点から貝殻の微粉砕品などを混練、焼成し、その抗菌性を調べた。 (1)については抗菌樹脂として製品化されるものの中に、少なくとも今回調査した大腸菌の抗菌性に対する効果が定かでないものあるいは使用条件によっては抗菌性が発現されないものもあることがわかった。また、これらの内の金属系抗菌物質にはAl, Snなど遅効性のものが比較的多く使用されていることが分かった。このことはフィーリングが先行しているといわれるわが国市場の現状を反映しているものと思われる。(2)について光照射の有無に関わらず抗菌性の発現が認められ複合効果が確認されたが、その発現状況は複雑であり次年度その理由を明らかにする計画でいる。(3)については、光照射の有無に関係なく全てにわたり強い抗菌性の発現が認められた。このことは貝殻粉末の抗菌性は極めて強く即効性であることが分かった。ただし今回1日培養に揃えて実験を行っており、次年度に向けて現在時間依存の実験を継続的に始めたところである。なお、最終年度になる平成15年度に学会発表および特許申請を考えている。
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