2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14655285
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
鈴木 淳史 横浜国立大学, 環境情報研究院, 教授 (90162924)
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Keywords | スマートゲル / 金属イオンセンサー / 体積相転移 / 膨潤比 / 表面パターン / 網目構造 / キレート結合 / キネティクス |
Research Abstract |
本研究では、各種の材料作製プロセスにより放出される排液中のイオンの中でも、特に金属イオンに注目し、簡易かつ高感度のゲルセンサーを開発するために、金属イオン濃度と温度変化に応答して、不連続かつ可逆的に体積変化するハイドロゲルを合成し、以下の点を明らかにした。 1.温度、各種金属イオン濃度によるドメイン構造を、液中タッピングモードAFM(原子間力顕微鏡)により測定した。温度変化によるゲルの微視的表面形態の変化、金属イオン添加による局所的なゲルの表面形態を調べ方。ゲルのAFM像から表面の自己相関関数、相関長を計算し、スケーリング、パワースペクトルなどによるラフネス解析を行ない、ゲルの表面が、金属イオンの存在下でどのような微視的構造をとるか、またスケーリングされるかについて解析した。 2.外部環境の変化(金属イオン濃度、温度)により引き起こされる体積相転移という巨視的な形態変化を生み出す基本原理、ナノスケールの相互作用によりを巨視的なパターンを形成する基本原理を確立し、材料工学的なモデルを提案した。金属イオンの存在による新しいオーダーパラメーターを導入し、様々な条件下でのゲルの状態方程式を構築した。 3.原子吸光光度計や高周波プラズマ発光分析装置により、単一金属イオン水溶液中でのイオン濃度の定量分析を行い、ゲルの膨潤率、体積相転移温度、表面パターンと金属イオン濃度への依存性を求めた。次に、複数の金属イオンの混合水溶液中での特定イオンの定星分析を行い、選択的な金属イオンの検知機能を評価した。金属イオンの検知機能の最適条件を評価するために、金属イオン濃度とゲルの収縮相転移に伴う形態変化の相関について検討し、実際の応用への基礎を確立した。
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