2002 Fiscal Year Annual Research Report
気体分子センサータンパク質の構造機能解析とそのバイオ素子への応用
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14655304
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
青野 重利 岡崎国立共同研究機構, 統合バイオサイエンスセンター, 教授 (60183729)
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Keywords | センサータンパク質 / 一酸化炭素センサータンパク質 / ヘムタンパク質 / 酸素センサータンパク質 |
Research Abstract |
本研究では、気体分子センサータンパク質のなかでも特に、一酸化炭素センサータンパク質CooA、および酸素センサータンパク質HemATを研究対象とし、これらの気体分子センサータンパク質の構造と機能の解明、および、それらを利用したバイオ素子開発を目的として研究を行った。CooA、HemATは、いずれも分子中にプロトヘムを含むヘムタンパク質であり、ヘムが気体分子センシングの際の活性中心として機能している。しかしながら、両者の気体分子センシング機構は、大きく異なっていることが明かとなった。すなわち、CooAによるCOセンシングにおいては、配位飽和な6配位構造を有している還元型ヘムの軸配位子となっているPro2とCOとの間で軸配位子交換反応が進行し、その結果誘起される分子構造変化が、CooAの機能発現のキーステップとなっていることが分かった。それに対し、HemATによる酸素センシングにおいては、5配位構造の還元型ヘムの空配位座に酸素分子が結合することにより、酸素がセンシングされる。ヘムに配位した酸素分子には、遠位側ヘムポケットに存在するアミノ酸残基が水素結合していると考えられるが、その際に従来の酸素化型ヘムタンパク質の場合とは異なり、遠位側アミノ酸残基は、ヘム鉄に近い側の酸素原子との間で水素結合を形成しているものと考えられる。現時点では、この特異な水素結合様式が、HemATの機能発現に対し、どのような寄与をしているかは不明であるが、配位酸素との間で形成される水素結合により、遠位側ヘムポケットの構造変化が誘起されることが、HemATの機能発現の引き金となっているものと考えられる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 青野重利: "ヘムを活性中心とするセンサータンパク質の構造と機能"生物物理. 45・5. 230-235 (2002)
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[Publications] 青野重利: "一酸化炭素による遺伝子発現制御:COセンサーとして機能する転写調節因子CooAの構造と機能"化学と生物. 40・3. 206-210 (2002)
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[Publications] 青野重利: "一酸化炭素センサーとして機能する転写調節因子CooAの構造と機能"Molecular Medicine. 40・2. 158-164 (2003)