2002 Fiscal Year Annual Research Report
高温環境で熱エネルギーに依存した活性を示すDNA ligaseの研究
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14655308
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今中 忠行 京都大学, 工学研究科, 教授 (30029219)
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Keywords | DNA ligase / 耐熱性 / ATP / AMP / 超好熱菌 / 始原菌 / DNA / 補酵素 |
Research Abstract |
我々は、超好熱始原菌Thermococcus kodakaraensis KOD1のDNA ligase (Tk-Lig)について詳細な生化学的解析を行うことにした。Tk-Ligの反応特性について検討した結果、ATP、Mg^<2+>を添加した際に高いDNA ligase活性が観察された。本酵素は鋳型なしの活性は検出されなかったので、nickを有する二重鎖DNAを基質とすることが判明した。様々な温度領域におけるTk-Ligの活性を測定したところ、本酵素は35℃から100℃の間に顕著なDNA ligase活性を示した。また、基質DNAの長さについては、nickを中心として両端8bp以上の二重鎖DNA構造があればTk-Ligの基質となり得ることが判明した。様々な温度域でTk-Ligの補酵素特異性を検討したところ、驚くべきことに本酵素は高温領域でATPのみならず、AMP、NAD^+などを補酵素として機能し得ることが判明した。特にAMP依存型DNA ligase活性は顕著で、65℃から85℃という高温領域でのみ検出された。本活性は反応溶液のhexokinase処理、apyrase処理後も認められ、反応溶液中のATPの夾雑によるものではないことが示された。酵素溶液をpyrophosphate処理した結果、本活性は発現や精製段階における酵素のadenyl化によるものではないことも明らかとなった。さらにAMPを補酵素とした場合でもE-AMP複合体やDNA nickの5-phosphateへのAMP転移後のDNA-AMP複合体が確認できた。このことから、ATP依存型活性とAMP依存型活性の反応機構は同一の経路を辿ることが示唆された。常温環境ではnick sealing反応は吸熱反応であり、生成物が蓄積することはあり得ない。しかしながら、基質および生成物に対して微少熱量計を用いた解析を行った結果、高温環境では基質と生成物間のエネルギー差が変化することが判明した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] M.Nakatani, S.Ezaki, H.Atomi, T.Imanaka: "Substrate recognition and fidelity of strand joining by an archaeal DNA ligase"Eur.J.Biochem.. 269(2). 650-656 (2002)
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[Publications] T.Fukui, Tomohiro Eguchi, H.Atomi, T.Imanaka: "A membrane-bound archaeal Lon protease displays ATP-independent proteolytic activity towards unfolded proteins along with ATP-dependent activity for folded proteins"J.Bacteriol.. 184(13). 3689-3698 (2002)
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[Publications] N.Maeda, T.Kanai, H.Atomi, T.Imanaka: "The unique pentagonal structure of an archaeal Rubisco is essential for its high thermostability"J.Biol.Chem.. 277(35). 31656-31662 (2002)
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[Publications] Tadayuki Imanaka, Haruyuki Atomi: "Catalyzing Hot Reactions : Enzymes from Hyperthermophilic Archaea"The Chemical Records. 2(3). 149-163 (2002)