2003 Fiscal Year Annual Research Report
光化学反応に基づく分子長変化により異方的に運動する高分子液晶ゲルの開発
Project/Area Number |
14655355
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
池田 富樹 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (40143656)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 基 東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (40361761)
宍戸 厚 東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (40334536)
塩野 毅 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教授 (10170846)
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Keywords | フォトニクス / エラストマー / アゾベンゼン / 光屈曲 / 偏光 / 光力学変換 / 液晶 / MEMS |
Research Abstract |
代表的なフォトクロミック色素であるアゾベンゼンは異性化により分子長を変化できる。このためアゾベンゼンの分子長変化というミクロな効果を利用して,ゲルの変形というマクロな形状変化を誘起できる可能性がある。これまでに申請者らは,高分子アゾベンゼン液晶の光駆動に関する一連の研究を行い,高分子液晶が光に対して鋭敏にかつ高速(応答時間,100ns)に応答することを明らかにした。これらの結果から,高分子アゾベンゼン液晶をゲルの基材として用いると,外場に対して敏感かつ高速に応答し,大きな形状変化を誘起できると考えた。上記の着想に基づいて本研究では高分子アゾベンゼン液晶を用いて光刺激により自律的に運動する高分子ゲルを開発することを目的とした。液晶性を示すアゾベンゼンモノマーを架橋剤とともにセル内で熱および光重合することで,厚さ数十ミクロンのエラストマーフィルムを得た。このフィルムはモノマーの良溶媒中で異方的に膨潤することが明らかとなった。さらに,このフィルムに紫外光照射を行うと,照射方向にフィルムが数十秒で屈曲することがわかった。可視光の照射によってフィルムは本の状態に戻り可逆的な光屈曲を誘起できた。また,ガラス転移温度以上にフィルムを加熱することで,溶媒を用いずエラストマーフィルムの光屈曲を誘起できることが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Y.Yu, M.Nakano, T.Ikeda: "Directed Bending of A Polymer Film by Light"Nature. 425. 145 (2003)
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[Publications] M.Nakano, Y.Yu, A.Shishido, O.Tsutsumi, A.Kanazawa, T.Shiono, T.Ikeda: "Photoresponsive Behavior of Azobenzene Liquid-Crystalline Gels"Mol.Cryst.Liq.Cryst.. 398. 1-9 (2003)
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[Publications] T.Ikeda: "Photomodulation of Liquid Crystal Orientations for Photonic Applications"J.Mater.Chem.. 13. 2039-2057 (2003)