2002 Fiscal Year Annual Research Report
圧電材料と静電容量を利用した応力測定方法に関する研究
Project/Area Number |
14655369
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
藤本 由紀夫 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60136140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 義和 広島大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00335704)
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Keywords | PVDF / 圧電材料 / 応力測定 / 表面電位 / 塗装 / 歪測定 / 構造物 |
Research Abstract |
機械や構造物は一般に塗装が施されるが,塗装は応力測定の弊害になることが多い。本研究は,高分子圧電材料PVDFフィルムを歪感知部として構造部材に接着し,その上面に塗装を施しておくことで,PVDFの表面電位を塗装上面から非接触型表面電位計を用いて計測し,応力測定を行うことができることを示した。 実験室において,平滑試験片や切欠き試験片にPVDFを接着して,その上面に塗装を施し,表面電位計でPVDFの表面電位を計測して,応力や応力分布を求めた結果,歪ゲージとほぼ同じ精度で部材表面の2方向軸応力とせん断応力を測定できることを明らかにした。 PVDFフィルムはセラミクス圧電材料と比較して安価で任意形状に加工して使用できる。また,表面電位計測に基づく応力測定は配線不要であるので,多点応力測定が容易であり,構造物に多数のPVDFを接着した長期応力モニタリングを行うこともできる。また,表面電位計を被測定物から離れた場所に置いた塗装部材の応力測定実験,および海水中に置かれた塗装構造物の応力測定実験も行った。 本研究によれば,従来適当な方法が無かった,塗装やコーテイングが施された構造部材の応力を,人間に聴診器を近づけるような方法で短時間に計測することができる。また,金属製,コンクリート製あるいはプラスチック製など,種々の材質の応力計測に適用することができる。計測に必要な構造物側の準備作業が,PVDFの接着のみであるので,安価に多数の部位の応力計測が実現できる。さらに,PVDFのような薄い圧電材料を用いると,塗装した後の外観への影響がほとんどなく,撤去の必要性も少ない。これらの特徴により,従来の応力測定法で問題であった,種々の技術的およびコスト的課題を解決した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Gang LIU: "Application of PVDF Film to Stress Measurement of Strnctural Member"日本造船学会論文集. Vol.192. 591-599 (2002)
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[Publications] Yukio FUJIMOTO: "Piezoelectric sensor for stress intensity factor measurement of two dimensional cracks"Engineering Fracture Mechanics. Vol.70. 1203-1218 (2003)
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[Publications] 藤本由紀夫: "圧電センサーを用いた二次元き裂の応力拡大係数の測定"日本機会学会論文集. Vol.68,No.672A. 1212-1219 (2002)
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[Publications] Yukio FUJIMOTO: "Development of High Sensitivity Sacrificial Specimen for Fatigue Life Prediction of Structures"Journal of Ship Technology Research. Vol.49,No.1. 33-44 (2002)