2004 Fiscal Year Annual Research Report
植物の発芽種子へのアグロバクテリウム注入による遺伝子導入法の開発
Project/Area Number |
14656003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
亀谷 壽昭 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (70006013)
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Keywords | 遺伝子導入 / 発芽種子 / アグロバクテリウム |
Research Abstract |
本研究の目的は組織培養で再分化の困難な植物の遺伝子導入法の開発である。これまで、マメ類の種子を遺伝子導入の対象として、種々の条件について検討してきた。これまでの検討結果から、形質転換率に影響する主要な要因として(1)アグロバクテリウムを注入する種子の状態、(2)アグロバクテリウムを注入する部位と注入方法、(3)注入後の植物の育成法、であることが判明した。この中で、(2)においては、注射器を用いるため、実験者の技術に形質転換の成否が影響されるので、技術の影響があまり受けないソニケーションと減圧処理による方法について、昨年度から検討してきた。その結果、インゲンマメ、ダイズにおいて、ソニケーションは、装置(Honda W103T model)を用い、frequency:45KHz,5分間処理し、その後、減圧処理(80mmHg)を行うことによって、形質転換が得られることがわかった。さらに、今年度は、この方法が他植物(ダイコン、コムギ)に適用できるのかどうか、発現マーカー遺伝子GUSを用い検討して、以下の結果が得られた。1)ソニケーション、減圧処理時間について:45KHz,3-5分間、減圧処理(80mmHg)5分間行った場合、ダイコン、コムギともに、生存率も高く、GUS染色率も高かった。2)アグロバクテリウムの濃度と共存時間について:アグロバクテリウムの濃度はOD0.5、共存時間:48時間が生存率も高く、GUS染色率も高かった。3)PCR,ゲノミックサザン分析:上記のうち、GUS染色された個体の後代(T1)について一部の材料を調査したところ、形質転換体が含まれていることが判明した。以上の結果から、インゲンマメ、ダイズで用いた遺伝子導入方法は、ダイコン、コムギにも適用可能であると結論できる。
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