2003 Fiscal Year Annual Research Report
バラ科果樹類の花芽形成と花序形態を支配する分子機構の解明
Project/Area Number |
14656014
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田尾 龍太郎 京都大学, 農学研究科, 助教授 (10211997)
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Keywords | LFY / TFL1 / 早期開花 / リンゴ / マルメロ / カリン / ニホンナシ / セイヨウナシ |
Research Abstract |
バラ科は,多くの園芸作物が属する園芸学上きわめて重要な科である.バラ科内の変異は大きく,科内がさらにサクラ亜科,ナシ亜科,バラ亜科,シモツケ亜科の4亜科に分類されている.これらの4亜科のうち,バラ科に属する果樹類の多くはサクラ亜科とナシ亜科に属し,前者には核果類が,また後者には仁果類が属している.これらの果樹の花序形態や結果習性は多様性に富んでおり,サクラ亜科の果樹類は純正花芽を形成し,ナシ亜科の果樹では混合花芽が形成される.本研究の目的は,これらバラ科果樹の花芽形成と花序形成の分子機構を解明することにあり,本年度はバラ科ナシ亜科に研究対象を絞って,以下の研究を行った. 1)TFL1,LFY相同遺伝子の単離 バラ科ナシ亜科の果樹6種の花芽形成に関与すると考えられる遺伝子であるTFL1,LFY遺伝子のホモログのクローニングを行い,各果樹の樹種において,TFL1とLFYそれぞれにつき2種類のホモログを単離することに成功した.これらをアラビドプシスやキンギョソウで報告されている配列と比較するとともに,系統樹を作り,各オーソログの進化について考察した. 2)TFL1,LFY相同遺伝子の発現解析 リアルタイムPCR法ならびにin situハイブリダイゼーション法によって,TFL1,LFY相同遺伝子の時間的,空間的発現様式を調査した.その結果,花芽分化開始期にTFL1の転写量が低下することが明らかになった.本年度の実験ではLFY遺伝子の転写量と花芽分化の関係は明確でなく,今後も検討を続ける予定である. 3)TFL1,LFY相同遺伝子による形質転換実験用のバイナリーベクターの構築 TFL1,LFY相同遺伝子による形質転換実験用のバイナリーベクターの構築に成功した。
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