2002 Fiscal Year Annual Research Report
カイコの新型トランスポゾンを用いた突然変異誘導法および遺伝子タギング法の開発
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14656023
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
嶋田 透 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (20202111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大林 富美 日本学術振興会, 特別研究員
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Keywords | カイコ / レトロトランスポゾン / レトロウイルス / EST / ゲノム解析 / 転移因子 / トランスジェニック昆虫 / 培養細胞 |
Research Abstract |
1.カイコゲノムからのレトロウイルス様因子の発見 gypsyやTEDなどの昆虫レトロウイルスのORF3をqueryにしてESTデータベースおよびゲノム塩基配列を相同性検索した結果,Lyra, Aquila, Cygnusの3種のレトロウイルス様因子を発見した。染色体上ではいずれも両端のLTRにはさまれた三つのほぼ完全なORFを有していた。3種類ともカイコ個体でRNAとして転写されており,完全長RNA以外にENVをコードするサブゲノミックRNAが生成していた。培養細胞BmNにおいて,Aquilaは100倍以上にコピーが増えていることが判明した。これらがカイコのレトロウイルスであるなら,遺伝子導入ベクターとして有望である。 2.カイコゲノムからのpiggyBac様配列の発見 カイコESTデータベース上には多くのClassII型転移因子様配列が認められる。そのなかに,イラクサキンウワバのトランスポゾンpiggyBacに相同性を有する配列を発見した。piggyBacはカイコの遺伝子導入ベクターであり,ゲノムに内在性piggyBacが存在することは,実験手法上大きな問題になる。 3.カイコの染色体ゲノム塩基配列を対象にした高頻度反復配列のサーベイランスカイコ p50系統の全ゲノムショットガン配列9600個をPFPフィルターに通し,ベクターの配列や既知のカイコ反復配列と100bp以上一致する配列などをマスクした。その過程で,mariner様配列が848リード,BMC1が481リードなどと,多数の反復配列が検出された。残った8557リードをCAP4でアセンブルした結果,6469リードのシングレットと843のコンティグ(=2088リード)にまとめられた。これらの配列には,まだBMC1が201リード,Bm1が808リードなどと,反復配列が認められたが,いずれも数十から数百bpの短い配列であった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yoshiko Koike, Kazuei Mita, Masataka G.Suzuki, Susumu, Maeda, Hiroaki, Abe, Kazutoyo, Osoegawa, Pieter, J.deJong, Toru Shimada: "Genomic sequence of 320 kb containing a kettin ortholog on the Z chromosome in Bombyx mori"Molecular Genetics and Genomics. (印刷中). (2003)
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[Publications] Hiroaki Abe, Toshiyuki Sugasaki, Tomoko Terada, Mariko Kanehara, Fumi Ohbayashi, Toru Shimada, Shinya Kawai, Kazuei Mita, Toshikazu Oshiki: "Nested retrotransposons on the W chromosome of the wild silkworm Bombyx mandarina"Insect Molecular Biology. 11(4). 307-314 (2002)