2003 Fiscal Year Annual Research Report
植物篩管液からの長距離シグナリングメタボライトの検出
Project/Area Number |
14656026
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
米山 忠克 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (70124360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 徹 東京大学, 生物生産工学センター, 助教授 (80242163)
林 浩昭 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (60180973)
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Keywords | 長距離シグナリング / 篩管 / イネ / 根粒着生 / ブラシノステロイド / 植物代謝 |
Research Abstract |
マメ科植物では篩管を移行する物質が窒素固定する根粒数を決めていること、これにはhar1遺伝子が関与していることを示している。しかし根粒数を制御する物質は未だ不明である。本研究で用いた植物ステロイドホルモンであるbrassinosteroidsは植物の成長において様々なはたらきを行なうだけでなく、最近は病害ストレス応答に関与し、病害抵抗反応をシステミック(全身的)に誘導することが報告されている。このbrassinosteroidsの最も生理活性の強いbrassinolideのダイズ野生株(エンレイ)および根粒超着生ミュータント(En6500)の地上部への処理と、brassinosteroidsの合成阻害剤のbrassinozoleをエンレイの葉部と培地から処理をして、葉部の成長と根粒の着生を調査した。Brassinolideの葉への処理はEn6500の根粒数を23-62%に低下させたが、エンレイでは根粒数は変化しなかった。Brassinolideの処理によって、節間は伸長した。葉にBrassinozoleの処理を続けるとエンレイの根粒数が増加した。また培地へのbrassinozoleの処理は節間を短くし、根粒数を増加させた。このような結果から葉部の,brassinosteroidsが篩管を通じてシステミックに根粒着生を変化させることが始めて明らかとなった。 イネ篩管液からメタルの鉄、亜鉛、カドミウム、ニッケル、銅、モリブデンなどを検出した。とくにカドミウムと亜鉛については遊離のイオンでなく、大部分がリガンドと結合していていることを明らかにした。篩管内鉄またはその結合物質は鉄のシグナルとなっていると予想された。 本年度から日仏共同研究「植物の炭素、窒素同化のシグナリングと代謝ネットワークの分子基盤とその応用」(代表 長谷俊治、Suzuki Akira)の日本側の研究協力者となった。ここでは代謝とそれを制御するシグナリングを研究することとした。また12月8〜9日と大阪大学蛋白研究所で開催された「植物代謝のネットワークとシグナリングの分子基盤とその応用」セミナーで「植物成長とC/N移行:^<15>Nと^<13>Cによる追跡」と題して本萌芽研究のテーマの長距離シグナリングメタボライトの存在とその重要性について講演した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Yoneyama T, Ito O, Engelaar WMHG: "Uptake. metabolism and distribution of nitrogen in higher plants traced by enriched and natural ^<15>N"Phytochemistry review. 2. 121-132 (2003)
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[Publications] Tanaka K, Fujimaki S, Fujiwara T., Yoneyama T, Hayashi H: "Cadmium concentrations in the phloem sap of rice plants (Oryza sativa L.) treated with a nutrient solution containing cadmium"Soil Science and Plant Nutrition. 49. 311-313 (2003)
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[Publications] 米山忠克: "植物のC/N:^<15>N,^<13>Cによる追跡"阪大蛋白研セミナー「植物代謝のネットワークとシグナリングの分子基盤とその応用」. (2003)
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[Publications] 寺門純子, 藤原伸介, 後藤茂子, 倉谷亮子, 米山忠克: "ブラシノライドはダイズ根粒超着生ミュータントEn6500の根粒着生をシステミックに制御する"植物微生物研究会 講演要旨集. (印刷中). (2004)