2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14656040
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加藤 暢夫 京都大学, 農学研究科, 教授 (50026556)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
由里本 博也 京都大学, 農学研究科, 助手 (00283648)
阪井 康能 京都大学, 農学研究科, 助教授 (60202082)
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Keywords | Acinetobacter sp. M1 / ワックスエステル / アシルCoAレダクターゼ / アシル-CoA:アルコールトランスフェラーゼ / n-アルカン |
Research Abstract |
ワックスエステルは、医薬品、化粧品、塗料、ろうそく、成形加工の型取りなどに広く利用されているが、その高い生分解性のために、今後用途は拡大するものと考えられている。現在はほとんど植物由来のものが用いられているが、これを微生物生産することができれば、ワックスエステルの分子組成の変換が可能になり、その量産化も期待できる。本研究では、n-アルカンを炭素源として増殖する際に、ワックスエステルをエネルギー貯蔵物質として細胞内に蓄積する細菌、Acinetobacter sp. M-1株のワックスエステル合成経路を解明し、それを基盤とした代謝工学的改変を行い、高品質で多様なワックスエステルの生産系を構築しようとするものである。得られた成果は以下のとおりである。 1 ワックスエステル合成に関与する酵素遺伝子のクローニングとその機能: Acinetobacter sp. M-1株よりアシルCoAレダクターゼ遺伝子をクローニングし、その遺伝子産物の酵素化学的性質を明確にした。さらに、当該遺伝子破壊株を作製して、そのワックスエステル合成能を調べた。その結果、ワックスエステルの脂肪酸部分とアルコール部分となるべき基質ををそれぞれ別途に加えることにより、任意な組成のワックスエステルの調製が可能であることが判明した。 2 ワックスエステル合成酵素の活性検出とその精製: ワックスエステル合成の最終段階を触媒するアシル-CoA:アルコールトランスフェラーゼの簡便な活性測定法を確立して本酵素を精製した。本酵素活性は従来、アイソトープで標識する方法でしか測定できなかったが、本方法を用いることにより、酵素の基質特異性のようなワックスエステル生産のために必要な基礎的知見を得ることができるようになった。 3 その他:ワックスエステル分解酵素欠損株の取得については、現在進行中である。また、効果的なワックスエステルの抽出法の条件検討を行った。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Ishige, T: "Wax ester production by bacteria"Current Opinion Microbiol.. 6・3. (2003)
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[Publications] Tani, A.: "Two acyl-CoA dehydrogenases of Acinetobacter sp. strain M-1 that uses very long-chain n-alkanes"J. Biosci. Bioeng.. 94. 326-329 (2002)
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[Publications] Ishige, T: "Wax ester production from n-alkanes by Acinetobacter sp. M-1 : Ultrastructure of cellular inclusions and role of acyl coenzyme A reductase"Appl. Environ. Microbiol.. 68. 1192-1195 (2002)