2003 Fiscal Year Annual Research Report
移動走査方式を用いた林冠構造-放射環境-熱収支特性関係の二次林における実態把握
Project/Area Number |
14656063
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田中 隆文 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (40192174)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 岳史 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (20152142)
服部 重昭 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (30273212)
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Keywords | 林冠構造 / 放射環境 / 熱収支特性 / 移動走査 / LAI / 3次元測定 / バルク輸送係数 / 全天空画像 |
Research Abstract |
森林の林冠部の構造は森林の水文気象学的特性に影響を与える主要な因子のひとつである。この林冠部の構造の把握にはリモートセンシングの活用が考えれてきたが、その検証のための地上調査が容易でないことが問題であった。従来の検証のための地上調査方法は点情報しか得られなく、かつ多大の労力を要したり、あるいは森林構造の単純化を前提としたものであった。数百メートルスケールで森林の林冠構造を3次元で高精度に測定する方法は、これまでは存在しなかった。 私たちはこれまでの研究で、葉と枝を区別して林冠の3次元構造を測定する方法として、2つの波長のレーザを用いる光切断法を森林に適用することを提案した。しかし、この方法はレーザー光を回転走査していたためデータの得られる空間の範囲が小さいという問題があった。そこで、数百メートルの林冠構造を地上測定できる移動走査型の方法を開発した。システムは一輪車と光切断法による距離測定部から構成され、その位置と姿勢は自律的に測定される。距離測定部は一輸車の動きを利用して移動走査される。本装置を森林内で数百メートル移動させながら測定することにより、林冠の上端局・下端高・林冠厚の空間変動が数百メートルにわたって測定される。レールや索道などの設備を用意する必要は全くないという大きな特徴をもつ。 森林の気象水文的な特性を理解するため、本装置を用いて測定した結果から林冠表面の粗度の頻度・パターン・大きさを解析した。豊田市内の二次林におけるフラックス観測では林冠表面構造の幾何学的な季節変化が顕熱フラックスの動態に影響する結果が得られ、これらから林冠構造と放射環境・熱収支特性の実態把握を進めることができた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Tanaka, T., S.Hattori, H.Park: "Distinguishing foliage from branches in nondestructive measurement of the 3-dimensional structure of mountainous forest canopies."Forest Chronicle. 79(2). 313-317 (2003)
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[Publications] Tanaka, T., S.Hattori, H.Park: "Measurement of forest canopy structure by a laser plane range-finding method improvement of radiative resolution"Agriculture Forest Meteorology. (in press). (2004)