2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14656068
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
東 順一 京都大学, 農学研究科, 教授 (80115782)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大澤 直哉 京都大学, 農学研究科, 講師 (10221821)
武田 博清 京都大学, 農学研究科, 教授 (60109048)
西尾 嘉之 京都大学, 農学研究科, 教授 (00156043)
大園 享司 京都大学, 農学研究科, 助手 (90335307)
坂本 正弘 京都大学, 農学研究科, 講師 (40303870)
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Keywords | セルロースハイドロコロイド / ヤドリギ / バジル / サルビヤ / セルロース / ヘミセルロース / コンポジット / ナノセルロースミクロフィブリル |
Research Abstract |
今年度の研究により、初めてシソ科のサルビヤの種子には水に浸漬すると膨潤し、ゲル状のセルロース・ヘミセルロースコンポジットを形成するものがあることを見出した。62種のサルビヤ種子を水に浸したところ、53種のサルビヤにおいてゲル状物質が形成された。乾燥種子重量に対するゲル状物質の含有率は、種子のサイズとは関係なく14.3〜0%と多様であった。ゲル状物質の形成には種子の外種皮の一層の細胞が関与していた。化学成分分析と固体CP/MAS^<13>C-NMRスペクトル分析の結果より、ゲル状物質はセルロースと酸性のヘミセルロース系多糖からなることがわかった。また、単離・精製したセルロースのFT-IRスペクトル分析より、セルロース部分のIαの成分は62%と一次細胞壁に存在するセルロースと似ていることが分かった。さらに、中性糖が全体の33.7〜57.1%を占めており、構成多糖の主な成分は、キシロース、グルコース、ガラクトースであったが、構成比は種によって多様で、その傾向より6つのグループに分類できた。また、ウロン酸の含量は10.3〜34.0%と多様で、その主成分はガラクツロン酸であった。これらのことから、新規に見出したサルビヤのゲル状物質は、酸性ヘミセルロースがセルロースとコンポジットを形成しており、セルロースの結晶化を阻害していること、それによって保水性やゲル特性といった性質を持つことが示唆された。また、ゲル状物質の保水力を4品種について測定した結果、19.5〜23.0mL/gの範囲でよく似ており、市販のセルロースの値3.2mL/gと比較すると高かった。このことから、ゲル状物質の水和ゲルとしての用途が示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] J.Azuma, Yamasaki, C., Sakamoto, M: "Gellous cellulose-hemicellulose polysaccharide composite in seeds of Salvia species"1^<st> IUPAC International Conference on Bio-Based Polymers (ICBP2003). 4-5 (2003)
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[Publications] K.Nakashima, L.Yamada, Y.Satou, J.Azuma, N.Satoh: "The evolutionary origin of animas cellulose synthase"Dev.Genes Evol.. 214. 81-88 (2004)
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[Publications] F.hyodo, I.Tayasu, T.Inoue, J.Azuma, T.Kudo, T.Abe: "Differential role of symbiotic fungi in lignindegradation and food provision for fungus growing termites (macrotermitinae ; Isoptera)"Functional Ecology. 17. 186-193 (2003)
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[Publications] N.Osada, S.Sugiura, K.Kawamura, M.Cho, H.Takeda: "Community-level flowering phenology and fruit set ; a comparative study of 25 woody species in a secondary forest in Japan"Ecological Research. 18. 699-711 (2003)
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[Publications] A.Mori, H.Takeda: "Architecture and neighborhood competition of understory sapling in a subalpine forest in central Japan"Ecoscience. 10. 217-224 (2003)
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[Publications] Y.Teramoto, Y.Nishio: "Cellulose diacetate-graft-poly(lactic acid)s : Synthesis of wide-ranging compositions and their thermal mechanical properties"Polymer. 44. 2701-2709 (2003)