2002 Fiscal Year Annual Research Report
表土層の貯留・排水効果を取り入れた流域資源循環利用システムに関する研究
Project/Area Number |
14656088
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
畑 武志 神戸大学, 農学部, 教授 (70031193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多田 明夫 神戸大学, 農学部, 助手 (00263400)
田中丸 治哉 神戸大学, 自然科学研究科, 助教授 (80171809)
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Keywords | 斜面表土層 / ベンチコート法 / セルロース分解 / 斜面流 |
Research Abstract |
斜面表土層における微生物作用特にセルロース分解菌の働きは現地における伐採木のチップ化再利用と関係して、重要である。セルロースは、リターを構成する主要な有機化合物であり、土壌微生物の基質となるが、土壌微生物活性の一つの目安として土壌微生物のセルロース分解活性を調査した。セルロース分解活性に影響を及ぼす環境因子、及び斜面位置による活性の違いを調べるため。六甲山系長峰山南側斜面に調査地域を設け、ベンチコート法によって山地斜面における微生物活性度を測定した。調査期間は前期と後期二回に分けて行い、前期(11月23日から2月1日までの70日間)では渓流に直行する両斜面に5地点、後期(12月24日から2月7日までの45日間)には南向き斜面方向の9地点にベンチコートシートを埋設し、含水比および地温を12月30日からおよそ10日おきに計5回測定した。また、検土杖を用いて各地点の層位を調査した。ベンチコート法はポリエチレン裏打ちのろ紙を地中に挿入して、ろ紙部分が分解される重量変化を測定する簡単な方法であるが、減少率とF層厚との強い線形関係がみられた。F層はリターが微生物により分解されて腐植への遷移が進行中の層であり、強力なセルロース分解能力を有する土壌微生物が存在すると考えられる。顕微鏡による採取ろ紙の観察では糸状菌がろ紙面で成長している様子が見られた。 斜面地形や土壌水分状態は微生物活性と関係があると予想されるが、斜面流のモデル化、並びに流域全体での斜面特性をとらえるために、流域表土層の簡易モデル化を行った。即ち、流域の格子分割により、地形データと降雨、蒸発に関する水文データから、地形標高に従って決まる流出経路に従い、流れのディスパージョン係数を基に流出合成する手法を用いた。今後、流域斜面の評価法と、その保全・活用について検討を進める予定である。
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Research Products
(1 results)