2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14656090
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Research Institution | National Institute for Rural Engineering |
Principal Investigator |
奥山 武彦 独立行政法人農業工学研究所, 造構部・土木地質研究室長 (20343767)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 清一郎 独立行政法人農業工学研究所, 造構部, 研究員 (30343768)
中里 裕臣 独立行政法人農業工学研究所, 造構部, 主任研究官
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Keywords | 自然電位 / 接地インピーダンス / 電位測定 |
Research Abstract |
農地の作土層における自然電位の高精度・能率的な測定方法を開発するために,農業工学研究所内および所外に試験地を設定して直流自然電位,交流雑音スペクトルならびに非分極性電極の接地インピーダンスなどの測定を行った。この結果に基づいて,自然電位測定器の諸元を決定して試作を行った。茨城県真壁町足尾山では交流雑音電圧は60mVpp以下と小さく,自然電位と同程度のレベルであったが,水田(友部町)では50Hzにピークをもつ0.5Vpp以上の波形が観測された。土浦市内の工業団地近くでは自然電位は0.3Vと高かったが,50Hzにピークをもつ0.6Vpp以上の交流が観測された。自然電位測定器はノイズ成分によって飽和しないダイナミックレンジと,50Hz成分を十分に除去するフィルター機能が必要であることがわかった。石膏と塩化鉛を溶解した飽和食塩水を用いた非分極性電極の接地インピーダンスをLCRメータを用いて測定した。水田では570〜920Ωで,地表に打ち込んだ銅棒電極より2〜3倍大きかった。高萩市のマサ土地帯の造成採草地では2400〜4900Ωで,銅棒の2倍程度だった。農業工学研究所内のローム土の畑では表土の含水比の変化によって600〜2000Ωで変化した。保水性の小さいマサ土などは,夏期の乾燥時には接地インピーダンスがさらに大きくなることが予想される。接地インピーダンスの影響を受けにくくし,雑音成分を除去するために,BiMOSFETオペアンプを増幅器に使用し,カット周波数12Hzのローパスフィルターを備えた測定器を製作した。石膏層の透水性を低くし,不飽和状態で使用することによって内部液の漏出量を減らして使いやすくした非分極性電極を試作した。北上山系での測定では自然電位に20〜25m周期の変動があり,測定間隔は5m以下が必要だった。
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