2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14656093
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
内野 敏剛 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (70134393)
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Keywords | 殺菌 / 赤外線 / 穀物 / 表面殺菌 / 微生物 / 波長 / 水分活性 |
Research Abstract |
(1)連続式殺菌装置の試作と試験 回転ドラム型の連続式赤外線照射装置を試作し、コムギの表在微生物の殺菌試験を行った。装置は傾斜した直径160mmの塩化ビニル製ドラム内部に0.5kW×4本の赤外線放射管を設置したもので、ドラム内部はアルミを貼って赤外線を反射するようにした。ホッパーに入った試料はシュートに設けられたシャッターを開けることにより、ドラム内に投入され、ドラムの回転数を調整することで、通過時間(照射時間)を変えることができる。照射時間は11s〜210sとした。また、コムギの品質の指標として、照射後のコムギの脂肪酸度と発芽率を測定した。 この結果、初期水分が低いコムギは照射後の微生物の生存率が高く、初期水分の増加に伴い、生存率は低くなる傾向がみられた。また、照射時間が長いほど殺菌効果は上がるが、高水分のコムギほどこの傾向が顕著であった。コムギの脂肪酸度は赤外線の照射による影響を受けることが少なく、発芽率については、照射時間の増加に伴い、減少する傾向がみられた。 (2)赤外線の波長(色温度)と水分活性の影響 昨年度に引き続き、乾燥状態の微生物胞子の殺菌を行った。本年度は色温度が2300、2500、3000Kの3種類の赤外線放射管を用い、色温度の殺菌効果への影響を調査した。また、同時に菌の水分活性(以下Awとする)を調整し、Awの影響も検討した。 0.005〜0.397の低いAw域では色温度の影響が顕著で、3000Kのときに高い殺菌効果が得られた。また、D値は各色温度による照射とも、0.005〜1.0のAwの範囲内でピークを持ち、ピークは色温度が高くなるに従い、高Aw域へ移動した。
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Research Products
(1 results)